MLB 5度目労使交渉も決裂 17日キャンプイン絶望的…4.1開幕危機

[ 2022年2月14日 05:30 ]

2020年、4カ月遅れで開幕戦を迎えたナショナルズ・パークでのヤンキースーナショナルズ戦(AP)
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 労使が決裂している大リーグで12日(日本時間13日)、機構(MLB)と選手会が交渉を行い、機構側が新労使協定の改定案を示したが、合意には至らなかった。16日(同17日)に予定されているキャンプ開始が遅れることは決定的な状況。3月31日(同4月1日)のシーズン開幕にも暗雲が垂れ込め、エンゼルス・大谷翔平投手(27)ら日本選手への影響も懸念される。

 昨年12月2日、労使に関する動きが止まってから72日目。ロックアウト突入以来5度目の本格交渉も物別れに終わった。機構側は130ページにも及ぶ改定案を提示したが、双方の隔たりは大きい。全国紙USAトゥデー(電子版)は「選手会関係者は、複数の選手たちが“全く響かなかった”と言っていた。彼らは進展したとは思っていない」と伝えた。

 機構は年俸総額が上限を超えた球団に対する課徴金(ぜいたく税)の規定額を段階的に2億2200万ドル(約255億3000万円)まで引き上げると譲歩したが、選手会側が要望する最低2億4500万ドル(約281億7500万円)とは開きがある。年俸の最低保障額なども微増の提示。スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」によると選手会は対応を協議するが、次回交渉は未定という。

 ロブ・マンフレッド・コミッショナーは10日の記者会見で、「合意すれば1週間以内にキャンプを始めることができる。開幕までの準備期間は4週間が望ましい」と言及。その上で、「予定通りプレーするため、合意できると信じている」と自信を見せていた。4週間のキャンプを経て3月31日(日本時間4月1日)に開幕を迎えるためには、今月末までの合意は不可欠。USAトゥデーは「キャンプ開始は遅れるだろう」と伝え、「双方に劇的な動きがない限りは、(予定通り)開幕するには深刻な危機を迎えている」とした。

 エンゼルス・大谷は1月末に配信されたロイター通信のインタビューで、キャンプの開始が懸念されることについて「肉体的には大丈夫。問題が生じるとしたらメンタル面かもしれない」と不安を口にしていた。昨季ア・リーグMVPを獲得し、投打でさらなる進化を狙うシーズン。無事に妥結し、球春を迎えることができるか。

 ≪各球団との交渉は凍結されたまま≫ロックアウトが長期化し、ポスティングシステムでメジャー移籍を目指す広島・鈴木誠、マリナーズからFAとなった菊池らと各球団の交渉も凍結されたままだ。ヤンキースやドジャースなど複数球団が興味を示していると伝えられている鈴木誠は、1月にスポニチ本紙の取材に「焦りは全くない。早く決まるに越したことはないですけど、(心境は)平穏そのまま」と話している。30日間のポスティング交渉期間は保証され、ロックアウト解除後に残り20日間の交渉が再開される。菊池についてはメッツなどが獲得に興味を示していると報じられている。

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2022年2月14日のニュース