野球はもちろんですが…キャンプ取材で感じた松坂大輔さんの“才能” 訪問先で誰もが笑顔に

[ 2022年2月14日 07:30 ]

田中将と談笑する松坂氏(左)=撮影・篠原岳夫
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 松坂大輔さんは歩くのが速い。昨年限りで引退し、スポニチ評論家として訪れた春季キャンプ。初めて訪れたキャンプ地でも迷いのない足取りで進む。50歳過ぎのおっさん記者はついていくのに精一杯だ。「勉強したい」。そんな強い思いが足取りにも表れているような気がした。

 松坂大輔さんはいつも笑顔だ。キャンプ地では先輩の球界OBらだけでなく、後輩の選手など、とにかく行く先々で関係者にあいさつをされた。記念撮影も何度したことだろう。「平成の怪物」。誰もが会えたことを喜び、松坂さんも笑顔で喜んでいる。広島・九里、巨人・戸郷、ヤクルト・清水らからスライダーの投げ方を聞かれると、身ぶり手ぶりを交えて丁寧に教える。ファンから「写真を撮らせてください」と頼まれれば「一緒に撮りましょう」とツーショット撮影。怪物には笑顔がとても似合うなと感じた。

 キャンプ取材で一番大変だったのは2月10日だろうか。沖縄本島から石垣島へ日帰りで往復。ロッテ・佐々木朗のブルペン投球に熱い視線を送った。同日は午前6時に起床。7時15分那覇空港発の便に搭乗した。石垣空港に着いたのは8時過ぎ。朝食を食べようにも店が開いていない。松坂さんは食事もせず、午後までずっと取材を続けた。午後には佐々木朗に話を聞くためにずっと待っていた。「選手の練習が優先」。そして、取材者は待つことも仕事だということを理解しているのだな、と思った。

 そして、松坂大輔さんは何より後輩思いだ。6日に沖縄・北谷の中日キャンプを訪れると、母校・横浜高の後輩・柳と、小笠原のグッズを購入。これを自身のツイッターに写真入りでアップすると、ファンの間で話題になった。楽天キャンプではこちらも横浜高の後輩である涌井、渡辺佳のグッズを買い求めた。涌井は2軍キャンプのため対面できず。「せめて涌井投手のグッズを買って、彼を感じたいなと思います」。明るく、常に周囲も笑顔にさせる。松坂さんの持つ、これも才能なのだろうと強く感じた。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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2022年2月14日のニュース