【一問一答】矢野監督「ゲーム差なしを思えば僕自身何か采配、言葉…できることがあったんじゃないか」

[ 2021年11月9日 16:46 ]

シーズン終了報告を終え、報道陣の質問に答える矢野監督(撮影・大森 寛明)
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 阪神の矢野燿大監督(52)が9日、大阪市福島区の阪神電鉄本社を訪れ、藤原崇起オーナー兼球団社長(69)に今季の戦いを報告した。

 矢野監督の一問一答は以下の通り。

 ――どのような報告
 「ご苦労さまという言葉を頂きまして。もちろん若手をよく使ってもらえた、よく頑張ったというお話も頂きましたし、一方でやっぱり最後、優勝を逃した、クライマックスも勝ち上がれなかったというところではまだまだ鍛えてさらに上を目指してほしいという激励の言葉を頂いた。僕も終わったばっかりですけど、何とかこの悔しさを明日からぶつけていきたいなという、そういうお話をさせて頂きました」

 ――続投発表もあったが、来季に向けての話も
 「そうですね。3年間、できていることも言って頂きましたし、僕としても来季、何とかその期待に応えたいという気持ちになりました」

 ――首位・ヤクルトとゲーム差なしの2位。今季を振り返って
 「本当に開幕すごくいいスタートを切れましたし、交流戦が終わるぐらいまでですかね、本当に目指す野球というか、そういうものは本当によくできましたし、オールスター、交流戦以降は本当にチーム全体が調子も下がってしまいましたので、僕的にはずっと首位にいたので、苦しいというか、勝つのって大変だなというのも実感させてもらいましたし。でも10月にはまたみんな本当にいい粘りを見せてくれたんで、そういうところではチーム全体の底上げというか、全員のチーム一丸となって戦う、そういうものはできたかなと思っています。ただ、このゲーム差のないシーズンだったということを思えば、僕自身なにか采配であったりかける言葉であったり、なにかできることがあったんじゃないかなってことはすごく思いますし、だからこそすごく悔しいですし。でも選手もそうですけど僕も目の前の試合へ全力でやりきってきましたので、そこに対する後悔はありません。全員で何とか勝ちたいという思いで戦いきった、ただそこで勝ちきれなかったというチームとしての成長と、僕の成長。それが必要だなというところは身をもって感じることです」

 ――どのあたりが成長できたか
 「1年目から競争というところを僕は大事に、やっぱりチームが強くなる上では競走があってこそ、同じユニホームを着てますけどやっぱりみんなライバルで、ポジションを争っていくっていうメンバーなんで、それぞれ競争というのはずっと言ってきてますけど、そういうところでは今年はルーキーがね、その競争にすごく入り込んできてくれたシーズンだったんで。前より一層競争が激しくなってチーム全体としても先程も言ったように底上げ、そういうものができてきましたし。僕も含めて、コーチ陣も、僕は失敗を恐れたり挑戦しないっていうのは僕たちの野球じゃないんでね。失敗してもどれだけ次チャレンジできるか、それを僕たちがどれだけ背中を押していけるか。そういうのをこの3年間ずっとやってきましたし、それが見ている人をワクワクさせてり、喜んでもらえたり、また、選手が成長して、チームが強くなることだと思っているので、3年間それもやり切って来ましたので、引き続き、来季以降も、選手たちの背中を押しながら、やっていきたいと思っています」

 ――この選手が特に成長してくれたと思うところはある
 「いや、ルーキーが試合に出ること自体、そんなに簡単なことではないですし、その中で、一番注目されました佐藤輝もキャンプから正直、どこまでできるのかなという目で、プロの目で僕たちも見ていきながら、こんなふうに出来るんだ、こんなに出来るのと、キャンプの時によく言っていたと思うんですけど、早く壁にぶち当たってほしいと、その壁が本当になくね、いろんなものをクリアして、佐藤輝自身もやってきたので、ホントに夢のあるというか、そういう選手だなと1年戦う上で、佐藤輝の可能性というのを、ホントにファンのみなさんを魅了するものがあるというのは僕自身も目の前で一緒に戦ってくれましたし、一方で中盤以降、佐藤輝が苦しい時間を過ごして、ここから佐藤輝がプロ野球という世界で成長するためには、なくてはならない時間になったと思うので、その時間をどれだけまた、塗り替えていってくれるのか、その上の伸び幅というのは、どこまであるかわからない魅力ある選手なので、そこは佐藤君の大きな魅力ですし、今後もやっぱりチームの中心としてね、育っていく、そういう選手に育てていけるようにね、しっかりやっていきたいと思います。伊藤将司に関してはホントに新人で2桁、ローテーションも1年間ほぼ崩すことなくやってくれましたし、規定投球回数ちょっと届かなかったっていうのはね、ありましたけど、ホントに2桁勝って、最後は中継ぎもやってくれてりとか、フル回転してくれたのでね、そういうとこは本当に体大きくないですけど、気持ちの向かっていく、そういう将司の1番いいところをしっかり出してくれたなと思うんで。その基準がある中で来季を迎えるんでね、2年目のジンクスっていうのは誰もが言われることですけど、そういうものも乗り越えてね、来季もローテーションの中心としてね、今年以上の活躍を期待したい、ピッチャーですよね。中野に関しては1年目から盗塁王っていうね、タイトルを獲るっていうのはホントにビックリしてますし、キャンプの頃は盗塁セーフになることがあまり見たことなかったんでそういうところではホントに一緒にね、コーチ陣もスコアラーも力を合わしてくれて、特に筒井コーチなんかもね、いつも付きっきりで、タクムを盗塁王にしてくれたっていうのもありますし、最初にお話しましまけど、アウトになっても挑戦するっていうのは僕たちの野球なんでね、そういうものをやった成果っていうのが1つの形としてね、盗塁王っていう形になったのはタクム自身も自信にできると思うし、体は小さいですけどね、逆に子どもたちにも夢を与えられるような、そういう魅力ある子?なんでね、タクムのそういう働きっていうのは今シーズンも大きかったですし、でも他の中堅、他の若手も黙っていないと思うので。ショートにはいっぱい選手がいるので、そういうところでは誰が勝ち上がってくるのか。また拓夢がそこにどう挑んでいくのか楽しみにしています」

 ――課題のあるチームと。ここをもっとというところがあれば
 「そうですね。もちろん皆さんがよくね、ファンの方にも言われることですけど、やっぱり守備のエラーっていうのはもちろん減らしていかないといけないと思いますし。それがなければというと何ですけど、もちろん優勝も可能だった可能性も十二分にあるので。そこは監督としても受け止めてやっていきますし。ただこれもそうなんですけど、伸びしろだと思っているんで。まだまだ減らせると思っているし、減らせられた先っていうのは僕たちがもっと上に行けてると思うんでね。そういうのはチーム全体で取り組むことなんで、克服できていけると思うんで。課題は多いですけど、足りない部分を補うこともやっていかないともちろんダメですし。でも同時にいいところを伸ばすこともどんどんやっていかなければいけないですし。さきほども言ったように僕自身の成長も必要になってくると思うんでね。そういうのは全員で取り組んでマイナスの部分をプラスに、プラスの部分はもっとプラスにしていけるように選手の背中を押して、自分も頑張っていきたいと思います」

 ――今年もコロナ禍の中、制限がありながらのシーズン。少しずつ観客が増えていった。あらためてファンの存在とは
 「やっぱりクライマックスでは勝ちきれなくて、残念な思いをさせてしまいましたけど、最後の試合なんかは本当に普段に近いような形でできるようになりましたし。本当にコロナ禍というのは…僕たち去年はちょっとつらいシーズンになりましたけど、いろんな当たり前がなくなる中で野球をやらせてもらえて、そこにはファンの方、球団の方、多くの方が携わってくれたおかげで僕たちは野球をやらせてもらえた。一生、自分たちの心の中における、野球をやれるのは当たり前じゃないんだなということをしっかり経験させてもらえた年になりました。その中でタイガースファンに期待してもらって、結果として優勝をできなかったのは責任を感じていますけれど。最初にも言いましたけど、これは僕自身受け止めて、また新たな挑戦を来季に向けてしていくことを皆さんにお伝えして、もう1回頑張ろうと思っています」

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