阪神・スアレスをメジャー複数球団が調査 昨年2年契約もスアレス側に選択権、交渉難航は必至

[ 2021年11月9日 05:31 ]

最後を締めて梅野隆太郎(左)とエアタッチをするロベルト・スアレス
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 阪神のロベルト・スアレス投手(30)に対し、複数のメジャー球団が獲得へ向けた本格調査に乗り出していることが8日、分かった。阪神は昨オフに2年契約を締結。ただ2年目はスアレス側に選択権があり、海外移籍は選択可能だ。

 「(契約保留選手名簿から外れた場合は)複数球団が獲得に動きます。シーズン中から調査はしていますし実際に複数の球団が今年も試合を見ています。すでにストッパー候補の一人として評価している球団もあります」

 あるメジャー球界関係者が評価の高さを明かした。移籍2年目の今季は61試合に登板して1勝1敗で防御率1・16をマーク。絶対的守護神としてシーズン42セーブを挙げ、2年連続となるセーブ王のタイトルを獲得した。阪神で2年連続で同タイトルを獲得したのは14、15年の呉昇桓(オ・スンファン)以来2人目の快挙だった。V奪回を狙う猛虎にとっては、必要不可欠な存在であることは間違いない。同関係者は言葉を続けた。

 「(阪神は)全力で慰留する方針という情報は入ってきています。まずは阪神との交渉が先。今は静観という状況です。ただ(11月中に残留がまとまらなければ)メジャーの中でも争奪戦となる可能性も十分にあります」

 リミットは阪神に独占交渉権がある今月末となるもよう。スアレス自身もメジャー移籍を視野に入れているだけに、いったん自由契約とした昨オフ同様、交渉が難航することは必至の情勢だ。来季、悲願の頂点を目指す矢野阪神。その第一歩としてまずは絶対守護神の残留に全力を注ぐ。

 ▽スアレス、昨オフの交渉経過 20年11月12日、帰国の際に球団を通じ「残りたい気持ちはすごくある。でも自分だけの問題ではなくなるので」と熟考を示唆。同27日に残留交渉が難航していることが明らかになる。契約保留選手名簿の提出期限までに合意に至らず12月2日、自由契約選手となり、メジャーを含む複数球団が獲得へ興味を示したが、13日には残留の方向で決着。24日、20年の年俸約8000万円から3倍以上となる約2億5900万円の2年契約で合意した。

 ◇ロベルト・スアレス 1991年3月1日生まれ、ベネズエラ出身の30歳。15年にメキシカンリーグでプロデビューし、同年11月にソフトバンクと契約。16年は中継ぎでチーム最多26ホールド。ベネズエラ代表として出場した17年WBCで右肘を負傷し、同年は1軍登板なし。20年に阪神へ移籍し同年25セーブ、翌21年42セーブで2年連続のタイトル獲得。ヤクルトのアルバート・スアレスは兄。1メートル88、95キロ。右投げ右打ち。

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2021年11月9日のニュース