野球への真摯な姿勢、プロの苦楽を知る男が兼任コーチに 来季巻き返しへ西武・内海がチームの大きな支えに

[ 2021年11月9日 08:00 ]

室内練習場で若手の練習を見守る西武・内海投手兼任コーチ(球団提供)
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 西武・内海が、今秋から投手兼任コーチに就任した。「“兼任で”と言っていただいて素直に嬉しかった」と心境を明かし「(西武に移籍した)3年で2勝しかしていない。もし(来年も)選手だけと言われたら、本当に現役として見てくれているのかなという疑問も出てきたと思う」との思いも口にした。

 内海の野球に対する真摯(しんし)な姿勢が兼任プランにつながった。全体練習開始時刻の3時間前には球場に入る。「習慣なので、慣れています。きついとかはないです」。13時開始の2軍戦は9時から練習が始まる。内海が球団施設に入るのは朝6時前がルーティンとなっていた。

 ストレッチや体幹強化のトレーニングなど、一人でもできることを黙々とこなす。「巨人にいた時から内海の練習に取り組む姿勢はチームの手本になっていた。いい指導者になるのは間違いない」と関係者。来年40歳を迎えるベテランが、ファーム暮らしでも腐ることなく鍛錬を積んだ。その姿勢は若手を中心とした全選手に、最高の教材となった。

 秋季練習では午前中は選手としてトレーニングを行い、午後は指導者として輪に加わった。「こっち(2軍)で、くすぶっている選手のきっかけになるようなアドバイスが、一つでもできればいい」。その目は真剣そのもの。巨人時代の11、12年には2年連続最多勝のタイトルに輝いたが、近年は思うようなパフォーマンスを発揮できずにいる。苦楽どちらも知る内海なら選手に寄り添えるはずだ。

 最下位からの巻き返しを図る西武は、今年のドラフト1位で隅田(西日本工大)、同2位の佐藤(筑波大)、同4位にも羽田(八王子学園八王子)と左腕3投手を獲得。彼らにとっても、内海の存在は大きな支えになる。(川手 達矢)

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2021年11月9日のニュース