広島・坂倉 三塁挑戦!捕手と一塁との三刀流で持ち味の強打生かす「言われたところで頑張るだけです」

[ 2021年11月9日 05:30 ]

三塁で二俣(後方)とノックを受ける坂倉(撮影・奥 調)
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 広島の秋季練習が8日にマツダスタジアムで始まり、坂倉将吾捕手(23)がサードで初めてノックを受けた。今季は本業に加えて一塁にも挑戦し、鈴木誠に次ぐリーグ2位の打率・315をマーク。球団は一塁と外野を守る新外国人・マクブルーム(ロイヤルズ)を獲得しており、起用の幅を広げて持ち前の強打を生かすプランだ。

 秋季練習初日を迎えたマツダスタジアム。午前の守備練習で、坂倉は使い慣れたミットではなく内野用グラブに手にし、三塁のホットコーナーに就いた。可能性を広げる新たなチャレンジ。秋のテーマを口にしつつ、短い言葉に決意を込めた。

 「シーズンに出た課題や、自分のやりたいことをやっていけたらいいな…と。(サード挑戦?)言われたところで頑張るだけです」

 高卒5年目は濃密だった。当初は本業の捕手と代打での起用が主だったものの、4月6日に一塁の練習を始めると、3日後の巨人戦で早くも初先発。6月以降はほぼスタメンで試合に出続け、結果的に捕手と一塁での先発数はほぼ同数だった。

 そこに加わった新たなプラン。何しろ今季は規定打席に初めて到達しただけでなく、主砲・鈴木誠と首位打者を争い、リーグ2位の打率・315を残した強打者だ。佐々岡監督が「あれだけの打率を残している。使わない手はない」と説明する通り、起用幅が広がれば攻撃のオプションもそれだけ広がる。

 坂倉の三塁挑戦は、新外国人にもリンクする。球団は先ごろ、来季の大砲候補としてマクブルームの獲得を発表。今季3Aで32本塁打を放った助っ人は左投げ右打ちで、一塁と外野を守るとされる。だが、首脳陣は情報を盲信せず、あらゆる可能性を考慮して準備しなければならない。

 「外国人選手がどこで使えるか分からないし、いろいろやっていかないといけない」と河田ヘッドコーチ。坂倉の一塁にも「当然。ボチボチできたわけだから。ベンチに置くのはもったいない。こちらでオプションを考えないと」と話し、継続の方針を示した。

 坂倉は捕手に強いこだわりを持つ。ただ、5番打者として主砲の後ろを担った打力は現状、余人をもって代えがたい。正捕手を目指して本職を磨きつつ、23歳は新たな世界を広げる可能性に挑む。(江尾 卓也)

 《秋季練習に26選手が参加》広島の秋季練習がマツダスタジアムでスタートし、参加を免除された鈴木誠らを除く、26選手が参加した。ランニングやフリー打撃など初日から約5時間の練習を消化。新型コロナワクチン接種による副反応の影響があったと見られる西川、野間ら4選手が別メニュー、林ら3選手は寮などで静養した。また、栗林と森下は県外施設でのリハビリのため不参加で、河田ヘッドコーチは「五輪に参加して長いシーズンだった。心と体のケアをしてほしい」と説明した。13日からの第2クールから合流する予定だ。

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2021年11月9日のニュース