ソフトバンク・藤本新監督始動 日本一奪回へ 秋季キャンプで若手を徹底的に鍛える

[ 2021年11月3日 05:30 ]

練習前に選手たちに話をするソフトバンク・藤本新監督(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンク・藤本博史新監督(57)が2日、就任後初めて本拠地ペイペイドームで行われた全体練習に合流し、指揮を執った。開始前には選手を集めて訓示を行い、ナインを鼓舞。4日から始まる宮崎秋季キャンプでは、若手に猛練習を課す意向を明確にした。リーグ優勝、日本一奪回への土台をつくる秋。藤本ホークスが本格的に動きだした。

 1メートル82、102キロの巨体を揺らして円陣の中心に立った。初めて全体練習を指揮した藤本新監督は低く、太い声で約1分の訓示を行った。

 「今年は4位だったということを逆にいい意味でね。今まではCS、日本シリーズで秋のキャンプはできなかった。土台をつくって、個々のレベルを上げて来年に向けて頑張りましょう。明るく元気に厳しくやっていきたい」

 千賀、柳田らと握手を交わすなどナインと積極的にコミュニケーションを取った。11年間にわたってチームの1~3軍で指導経験がある新指揮官は、違和感なくチームに溶け込んだ。

 個々のレベルアップをテーマに掲げる宮崎秋季キャンプは、4日からスタートする。「練習量は増える。最初の1クールは軽めだと思うが、第2クールからはバッティングも倍くらいに増えるかもしれない」。柳田、千賀、森ら主力組の一部は参加を免除され、育成選手も参加しないが、期待の若手を中心に“少数精鋭”で臨み、徹底的に鍛える方針だ。

 8年ぶりのBクラスに沈んだ今季は、ポストシーズンの試合がなく、例年よりもオフが1カ月近く長い。時間はたっぷりある。若手育成に定評がある手腕が、さっそく発揮されることになる。

 チームは世代交代の過渡期を迎え、新指揮官は「レギュラー白紙」を打ち出している。貴重なバックアップ捕手だった高谷は引退。打線でも代打で勝負強さを発揮した左の長谷川が引退し、右の川島は戦力外通告を受けた。左右の代打の切り札が不在の状況を踏まえ、若手に「チャンス」とハッパをかけた。「レギュラーを狙う選手もいる。まず若い選手は1軍に定着する(ことを目指す)。そこを分かっていただきたい」と新たなスター誕生を心待ちにした。

 かつては春季キャンプの“地獄メニュー”として名物だった「12分間走」を、来年2月の春季キャンプで復活させることも明言した。「選手が一番嫌がることですからね」とニヤリ。常勝軍団再建へ、猛練習の秋が始まる(福井 亮太)

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2021年11月3日のニュース