【鳥谷会見 一問一答】「残した数字よりも、準備した日々が誇り」

[ 2021年11月3日 14:40 ]

<ロッテ練習>引退会見で早大の後輩、中村奨から花束を渡される鳥谷(撮影・長久保 豊)
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 今季限りで現役引退するロッテ・鳥谷敬内野手(40)が3日、ZOZOマリンで会見を行った。オシャレな2色のグレースーツで登場。

 以下、会見での一問一答。

 ――今季限りで現役を引退する鳥谷選手から、まずはあいさつ。
 「鳥谷敬は今季をもってユニホームを脱ぐことを決断しました。阪神で16年、ロッテで2年間。18年。たくさんのファンの方に応援していただき、感謝しています。この会見で感謝の気持ちを伝えられたらなと思っている。よろしくお願いします」

 ――引退発表から数日が経過した。率直な気持ちは?
 「本当に野球をするためだけに、毎日のこう準備だったりを過ごしたが、それがこの数日はないので。少し自分としても、楽な気持ちと、やることないなというそういう気持ちとが行ったり、来たりしている」

 ――引退を決断した理由は?
 「一番は自分が本当に今年1年間の中で、チームの勝利であったり、チームのためにと思ってやろうとしたが、なかなかそこの貢献ができなかった。そういう意味でそろそろ自分で辞めないといけない気持ちでいた。シーズン、ロッテの日程が終わったときにその気持ちに変わりはなかったので、やめようと思いました」

 ――引退の相談はしたか?
 「相談は誰にもせずに、辞めると決めたことを自分のお世話になった人たちに告げた」

 ――阪神退団する時には、家族から現役を続けてほしいと言われ、現役を続けたと言っていた。家族にかけられた言葉は?
 「本当に辞めると言ったときは、それに対してどうというのはなく、本当におつかれさまという言葉をもらった」

 ――子どもからは続けてほしいという言葉は?
 「電話だけでまだ直接会ってないので、何というのか分からないが、辞めるということはしっかり受け止めている。特に何かを言われたというのはない」

 ――40歳。ここまで野球を続けてこられた理由は?
 「試合に出られるか出られないかというような怪我をすることもありましたけど、その日その日、その瞬間、その瞬間、自分のできるベストは常に探して、それを自分でやり続けた結果が長くできたのかなと思う」

 ――練習量が凄いと聞く。練習に対する考えは?
 「練習をたくさんしているという感覚はなかった。人より思っているものがたくさんあったので、練習をしないと、当然、その人たちに追いつくことも追い越すこともできないと思ったので、練習をしているというよりは自分の足りないものを毎日、考えてやっていたら、勝手に練習するしかなかったという感じですかね」

 ――阪神の16年はどのような日々だったか。
 「本当に苦しいというか、毎日が大変な日々だった。毎日試合に出て、毎日同じことの繰り返しになるし、試合に勝った負けた、打つ打てない、いろんなことが毎日あるので、そういう意味では、楽しいよりは苦しい16年間だったかな」

 ――ロッテの2年間は人生においてどんな意味があるか。
 「試合の中でいろいろとチームに貢献したいという思いだった。なかなかそれはできなかったが、阪神で経験できなかった試合にあとから行く難しさであったり、2軍で若い選手と一緒に練習したりとか、野球選手というよりは人間としてこの2年間、たくさん勉強させてもらって、あそこでやめなくて良かったなと思っている」

 ――今後、将来期待できそうな若手は?
 「それぞれ本当に自分が入った時よりも凄いものを持っている選手というのはたくさんいる。この世界、少ないチャンスだったりとか、いろんなチャンスを生かすためにみんな準備している。誰が一番とかはないけど、みんなそれぞれが、本当にいいものを持っているのでそれをどんどん発揮して、一日でも長くやってほしいと思う」

 ――数々の記録を打ち立ててきたが、この記録がうれしかったと誇れるものは何か?
 「あまり数字に対しては、全てが1年で何か凄い数字を残したことはない。やはり、試合に出続けるということは常に自分としては頭に置いてやっていたし、成績よりは2軍に落ちても、試合に出れなくても、毎日、しっかり準備を怠らず、本当に辞めるって決断する日までできた。数字よりはその生活というか、その日々というのが人より誇れるものかなと思っています」

 ――ファンの存在はどんなものか。
 「あまり、愛想がいい方ではないので、いろいろできたかな、というのはありますけど…。試合に出ているときも声援は感じていたけど、試合に出れなくなって打席が1打席しかない場面だったりとか、鼻にボールが当たった次の日だったりとか、より歓声を多く聞ける場面は、ロッテに来てからもあったので、自分の背中を押してくれるというか、心が折れそうな時にたくさん助けてもらったな、という思いはあります」

 ――引退を決断して、心残りはあるのか。すっきりしてやめるのか。
 「心残りはもうないですね。本当に、(プロに)入った1年目から“いつやめてもいい”じゃないですけど、“明日辞めるとなった時に自分はどうするのか”ということを常に自分に聞きながらやってきました。それは1日であったり、1カ月であったり、1年であったり、その積み重ねで今日まで来た。本当に辞める日が来たんだな、という感じなので、そんなに悔いもないですし、すっきりして終わります」

 ――今後の人生でやってみたいことは?
 「当然、野球があって、野球のおかげでいろんなことを知ることもできましたし、野球のおかげで今の自分がある。当然、野球に対して恩返ししたいという気持ちもあるので、ある程度、野球に携わりながら、自分の新しくやりたいことっていうのをここから探していきたいと思います」

 ――ナインへのあいさつでは、どんな言葉をかけたか?
 「今回こういう形で自分もプロ野球選手を終わるんですけど、必ず始まるってことは終わりがある。みんなの現役生活も、いつかは必ず終わるんで、今ある時間を大切にしてほしいっていう話をしました」

 ――胴上げを断ったが?
 「もう、今日は会見がメインなんで、その前に汚れたり、破れたりしたら嫌なので(笑い)」

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