広澤克実氏 阪神・近本と高橋の活躍は勝利への絶対条件 佐藤輝の爆発力が加われば日本一も見えてくる

[ 2021年11月3日 05:30 ]

広澤克実氏
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 【広澤克実 視点】プロ野球セ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)は6日からファーストステージが開幕する。セは2位阪神が本拠地・甲子園に3位巨人を迎え撃つが、1位ヤクルトを含めた上記3球団で4番を務めたスポニチ本紙評論家の広澤克実氏(59)は、阪神のカギを握るのは高橋遥人投手(25)と近本光司外野手(26)とした上で、佐藤輝明内野手(22)の規格外の爆発力が加われば日本一も見えてくると分析した。

 阪神のストロングポイントは投手力と機動力だろう。巨人との初戦に先発予定されている高橋が本来の真っすぐを投げられるのか、そして近本が1番に入って打線をけん引できるか、この投打2人に注目している。

 相手も当然、エース格…巨人で言えば初戦は菅野だろうが、高橋が100%の力を出せば、分が悪いとは思わない。岩崎とスアレスのリリーフ陣、2戦目以降の先発にも青柳や秋山、ガンケル、伊藤将らが控えており、初戦次第だと思う。

 トーナメント戦に近いCSは打撃戦より僅差の展開が予想され、打線ではやはり近本の存在は欠かせない。走るだけでなく、今年は打撃(最多安打)のタイトルを獲るなど2番中野とのコンビはペナントレース以上に相手に脅威を与えられる。巨人・岡本和、ヤクルト・村上のように40本近く打つ本塁打打者はいないが、近本や中野が塁に出て中軸につなぐことで1点、2点と積み重ねていきたい。

 ここまでの、高橋と近本が元気かつ普通にプレーしてくれることは絶対条件。その上で「プラスアルファ」として期待したいのが、佐藤輝だ。彼にしかできない規格外の魅力がある。まだ、もろさ、不安定さが同居していることは否めない。しかし一人で試合を決められる爆発力があることも確かだ。特にシーズン前半戦、何度も信じられない光景を見てきた。佐藤輝がチームを引っ張る形になれば、予想を超えた、一気に日本一まで駆け上がれそうな勢いが出ると思う。

 専門的なことを言えば、打撃は大きく分けて<1>構えからトップ<2>トップからインパクト――の2つに分けられる。そして、佐藤輝の後半戦の不振は<1>だった。極端に言えば右足を踏み込んだ時には、もう投球がホームベース上を通過している状態。これでは、どれだけパワーがあろうと打球は当たらないし、飛ばない。バットの軌道や、打撃フォームがどうという「形」ではなく、「タイミング」の取り方だけ。いまはブンブンとバットを振るよりも、投手陣が投球練習をしているブルペンに行って打席に立たせてもらい、構えからトップまでのタイミングを修正することがいいのではないだろうか。

 詰まっても反対方向へ放り込めるし、変化球に体が泳がされてしまってもフェンスオーバーできる力を持っているのだから、やはりタイミングを合わせるだけだと思う。短期間での修正は不可能ではないし、きっかけ一つなのかもしれない。

 10月26日にペナントレースを終え、いったん体も頭もリセットしてCSを迎えられるのも大きい。もう一度、開幕戦を迎えるような気分。まだ1年生…いや1年生だからこそ、われわれの知らない力に期待してしまう。(スポニチ本紙評論家)

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