球児 “龍馬魂”で猛虎の未来サポート!アドバイザーとして第二の人生

[ 2020年11月16日 05:30 ]

龍馬賞授賞式に出席した藤川球児
Photo By 代表撮影

 今季限りで現役を引退した阪神の藤川球児投手(40)が15日に故郷の高知市に凱旋し、さまざまな分野で活躍した高知県内の個人・団体に贈られる「第35回龍馬賞」の授賞式に参加した。高知が生んだ偉人を「師匠」と呼び、人生の岐路で言葉を支えにしてきたという。アドバイザー的な立場で球団にも籍を置く来季以降も“龍馬道”を歩み、猛虎の未来に力を貸してくれそうだ。

 10日の引退登板後、初めて公の場に姿を見せた藤川の表情は、やはり晴れやかだった。プロ野球選手では初の「龍馬賞」。故郷凱旋に花を添える大きな勲章を手にし、「心の師」に思いをはせた。

 「人生の中で大事にしていて、心の師と仰ぐ坂本龍馬さんのこういった賞をいただけることを光栄に思います。ますます(この賞が)これから胸を張って人生を送らせてくれると思います」

 メジャーに挑戦し、すぐに右肘を痛めてトミー・ジョン手術を受けた13年。大きな岐路に立った時、道を指し示してくれたのが「龍馬の言葉」だったという。

 「初めて投げられなくなった時に日本でやっていた龍馬伝の映像を見ることができて、自分で道を切り開いていくというか。大変な道を切り開いていく、そういう風にして生きてる坂本龍馬を見て、今の自分にぴったりはまるんじゃないかと」

 信念を貫いて幕末の世界を変えていった坂本龍馬の生きざまが気づかせてくれたことは小さくなかった。

 「(米国で)夢とか希望を感じられない人生になった。いい車に乗れたり、初めは目指していたけど。そうじゃない。次、投げられるようになれば、楽しいところで投げたい。そこから迷わなくなった」

 何をすべきか立ち返った時に行き着いたのが、独立リーグ・高知でのプレーだった。「いま自分が与えられる夢は何か。地元の子供たちに何かを感じてもらえる。自分で何かを切り開いていきたいと持てるようになって」。その後の阪神復帰、そして現役引退まで立ち止まることなく歩むことができた。

 「僕ほど笑顔で辞めた人はたぶんいない。この先に人生の希望を見つけることを求めた。今が頂点じゃない」

 今後もアドバイザー的な形で球団に関わる予定。対面した浜田省司県知事から期待された高知と関西の橋渡し役についても「協力させて欲しい」と地元の盛り上げにも一肌脱ぐつもりでいる。

 「今は憧れたままなんで、時間ができたら坂本龍馬さんが歩いたところを探したいなと。勉強したいと思ってる師匠ですね」。マウンドを降りても「龍馬道」を突き進む。(遠藤 礼)

 ○…藤川は現役時代はともに「JFK」の一角を担い、プロスカウトから2軍投手コーチへの転身が決まった久保田智之氏(39)にエールを送った。「スカウトをして広い視野を持ち合わせたわけだから。選手をじっくり見てあげて欲しい」。就任決定後に電話で会話したといい「“厳しくいくぞ”って気合が入ってたから、ちょっと心配な部分でもあって。いい部分でもあるんだけど。続ける強さや、追い込むことの重要性をどう伝えられるか。うまく伝われば強くなる」と期待を寄せた。

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