【杉本正氏が占う日本S】選手層の厚さ光るソフトB、巨人は初戦が鍵

[ 2020年11月16日 07:00 ]

パ・リーグCS   ソフトバンク6-4ロッテ ( 2020年11月15日    ペイペイD )

日本シリーズでのソフトバンクVS巨人
Photo By スポニチ

 ソフトバンクが総合力の高さを見せつけて、4年連続の日本シリーズ進出を果たした。先発・東浜が初回にいきなり3失点したが、踏みとどまったのが勝因だ。2回にも2死二塁のピンチを招いた。ここで清田のセンターへ抜けそうな当たりを二塁手・川島が好捕。中前打なら1点が加わり、ロッテに一気に流れが傾くところだった。守備から流れを引き寄せた。

 バイプレーヤーがしっかりと仕事し、その裏に7番に入った中村晃の2ランですぐさま反撃した。ポストシーズンに強い中村晃を下位に置けるのは選手層が厚いからこそ。逆転してからはモイネロの回またぎなど救援陣を惜しげもなくつぎ込みペースを握り続けた。

 日本シリーズは昨年と同じ巨人との顔合わせとなった。シーズン終盤から好調を維持するソフトバンクに昨年は4連敗した巨人が挑むという構図だろう。

 ソフトバンクは東浜の状態が気になるところだ。コンディションに不安があるのか、この日は試合中に一塁ベンチでトレーナーと話すシーンが何度かあった。東浜が不在となっても千賀、和田、ムーア、そして今CSでは第2先発要員で日本シリーズも同様の役割を担う可能性がある石川を先発に回して4投手で乗り切ることも可能だが、そうなると工藤監督が短期決戦で得意とする第2先発の人選を再検討する必要が生じる。

 巨人としては先手を取って逃げ込む形に持ち込みたい。ソフトバンクの救援陣が強力なだけに6回までにリードを奪う展開にしなければ苦しくなる。本塁打、打点の2冠に輝いた岡本=写真、坂本、丸ら主軸を中心に、ソフトバンクの強力先発陣をいかに打ち崩せるか。そして先発投手が相手打線の鍵を握る1番・周東や主砲の柳田をいかに封じるか。先んじてペースを握るという意味では、菅野と千賀のエース対決になるであろう初戦が重要になってくる。(本紙評論家)

続きを表示

この記事のフォト

2020年11月16日のニュース