広島・高橋昂 進化の零封 左肘手術後最長7回「全部の課題を克服できた」

[ 2020年11月16日 05:30 ]

フェニックス・リーグのロッテ戦で7回1失点と好投した高橋昂(撮影・河合 洋介)
Photo By スポニチ

 広島・高橋昂也投手(22)が15日、「みやざきフェニックス・リーグ」のロッテ戦に先発し、左肘手術後最長の7回を被安打2、無失点と好投した。新フォームが定着し、1与四球と制球力が向上。手術前よりも進化した姿で、来季の開幕ローテーション争いに参戦する構えを見せた。

 高橋昂は、進化している。5回2死で福田光に中前打を許すまで完全投球。唯一得点圏に走者を置いた7回2死一、二塁では、前の打席で安打を許した福田光をカットボールで中飛とし、術後最長の7回を投げ切った。

 「良くなってきたな…と実感しながら投げています。内角と外角を平等に投げ分けて、うまく打者の目線を外せた。今日は全部の課題を克服できました」

 直球は、最速144キロ以上の切れを感じさせ、21個のアウトのうち12個の凡飛を積み上げた。勝負球のカットボールだけでなく、スライダー、フォークを使い分けて的を絞らせなかった。前回9日の楽天戦では104球を投げて6回2失点。中5日での94球も支障なく終えた。

 故障をきっかけに投球フォームを見直した。「手術前はインステップで肘に余計な負担がかかっていたし、制球も定まらない投げ方だった」。右足を上げる際に一塁方向に視線を移して軸足への体重移動を意識。テークバックの始動を早めて、“トップ”の形に素早く移行する新フォームに着手した。

 「だいぶ安定感が出てきたと思う」

 初球がボールになったのは打者24人に対して6度で、1与四球のみ。元々定評のあった制球力にさらなる磨きがかかってきた。

 高卒2年目の18年に開幕ローテーションに入りしてプロ初勝利を挙げた期待の有望株は、19年2月に左肘のトミー・ジョン手術を受けた。実戦復帰は今年9月。フェニックス・リーグでは、今後も100球前後を目安に先発を続ける予定だ。

 「投げる体力(をつけること)が一番の目標だったけど、こうやって投げられて内容もいい。維持するのではなくて、もっと上を目指したい。スピードもまだまだ出ると思う。全部の球をもっと精度良くする気持ちで頑張ります」

 今秋ドラフトでは1位・栗林を筆頭に即戦力投手3人が指名され、同学年の大卒選手も入団する。し烈な先発争いが待つ春に向けて、順調な秋を過ごしている。(河合 洋介)

続きを表示

2020年11月16日のニュース