広島・野村、さあ巻き返しだ!22日今季初先発で“屈辱”晴らす「勝つしかない」

[ 2020年7月21日 05:30 ]

<広島練習>キャッチボールする野村(撮影・奥 調)
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 広島・野村祐輔投手(31)が20日、本拠地での投手指名練習に参加。今季初先発が見込まれる22日の阪神戦(甲子園)に向け、ブルペンで投球練習するなどして調整した。2月の日南キャンプで右のふくらはぎを損傷し、9年目で初めて開幕ローテーションを外れた今季。巻き返しに向け「勝つしかない」と言葉に力を込めた。

 満を持して…の合流だ。21日からの阪神3連戦に備え、蒸し暑い本拠地で汗を流した先発陣。その中に野村の姿があった。大瀬良を相手に約60メートルの遠投などをこなし、ブルペンで最終調整した右腕は、珍しく熱い思いを前面に出した。

 「ようやくですね。(悔しい思いを)ぶつけたいと思います」

 今季は苦難のスタートを強いられた。春季日南キャンプが始まった直後の2月2日に右ふくらはぎを損傷。患部が完治しても状態が上向かず、6月19日の開幕には1軍から声が掛からなかった。9年目にして初めて開幕ローテーションを外れる現実。屈辱だった。

 以来1カ月。2軍では今まで以上にフォームを意識し、技術向上に努めてきた。体の状態や変化に応じて力の入れ方やタイミング、意識を置くポイントなどを変える試行錯誤。結果、ウエスタン・リーグでは登板5試合で1勝2敗、防御率2・92の数字が残った。

 「(目的は)あくまで上でいい投球をするため。うまくいかない日もあったけど、いろいろ発見できました」

 1軍の台所事情は厳しい。勝ち試合での救援失敗など中継ぎ陣の不調が目立つが、実績のあるK・ジョンソンが不振で抹消されるなど、先発陣も安定感に欠ける。だからこそ、通算71勝の野村に懸かる期待は大きい。横山投手コーチは言う。

 「(明大の)後輩(森下)はもう1勝しているわけだし、期するものはあると思う。どういう投球をしてくれるのか、こちら側も楽しみな部分は多い」

 指摘されるまでもない。野村自身もそのつもりだ。23日には森下の復帰先発が見込まれており、いい流れで後輩にバトンをつなぎたい。出遅れた分まで、チームの勝利に貢献したい――。それが右腕の素直な思いだ。

 「(抹消が長引き)チームに申し訳ないことをしたと思うし、自分でも悔しいので勝つしかない。何とか引っ張っていけるように。ここからです」

 経験は十分。投手陣に新風を吹き込み、さあ、巻き返しだ。(江尾 卓也)

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2020年7月21日のニュース