コロナ禍直撃の高校野球ルーキー デビュー心待ちに

[ 2020年7月21日 05:00 ]

 3年生が代替大会で最後の夏を迎える中、2年生以下の選手は早ければ8月下旬から秋の公式戦がスタートする。コロナ禍で自粛を余儀なくされたのは、入学したての1年生も同じ。入学後すぐにチームに合流できない日々が続いたが、現在は各チームとも学校再開とともに徐々に合流してきている。

 今年の新入生の期待株を、侍ジャパンU―15代表など中学野球の取材も多いライターの高木遊氏に聞いた。

◇投手 
 仲宗根大斗(安仁屋ヤングスピリッツ)沖縄尚学 柔軟性に優れ、腕をムチのようにしなやかに振って、キレと伸びのあるボールを次々と投げ込む好右腕

 マーガード真偉輝(宜野湾ポニーズ)星稜
恵まれた体格から力強い直球、カットボール、スライダーなどを投げる大型右腕。米国と日本の血を引く。

 田上遼平(世田谷西リトルシニア)慶応湘南藤沢
 ジャイアンツカップとU―15アジアチャレンジマッチでともに自責点0で優勝に導いた右腕。帰国子女で学業優秀。

 上加世田頼希(門真ビックドリームス)敦賀気比
 U15アジア選手権でエース格を務めた本格派右腕。140キロ近いストレートと変化球を制球良く投げ込む。

 坂本海斗(明豊中)明豊
 小柄だがキレのあるストレートと変化球のコンビネーション、ピンチに応じないマウンド度胸が光る好左腕。

 川島新大(草加市立川柳中)昌平
 U15アジア選手権最優秀投手。ナチュラルにシュートする独特の球筋で両コーナーを突ける制球力が武器。

◇捕手
 福原聖矢(安仁屋ヤングスピリッツ)東海大菅生
抜群の技術力でU―12、U―15と計3回の侍選出。2年生で出場したU―15W杯では二塁手ベストナインと盗塁王獲得。

 渡辺優斗(門真ビックドリームス)敦賀気比 U15アジア選手権で好守、好リードで投手陣を大会無失点に導き、最高殊勲選手に選出された野球勘優れる捕手。

◇内野手
 山下恭吾(軟式・久留米ベースボールクラブGO AHEAD)福岡大大濠 ゴロやバウンドの入り方から捕球・送球までの動作がスムーズで遊撃守備は硬式組と比較してもNo.1。
 田栗慶太郎(佐世保市立日野中)大崎
1メートル80を超える身長ながら、素早い身のこなしや力強い打撃が武器。U―12に続き、侍ジャパンに選出された大型内野手。

◇外野手
 海老根優大(京葉ボーイズ)大阪桐蔭
中学通算26本塁打を放った世代屈指のスラッガー。競輪の09年賞金王の父・恵太さんゆずりの脚力を始め、身体能力が高い。

 斎藤誠賢(京葉ボーイズ)国学院久我山
ボーイズリーグで春夏連覇を果たしたチームの1番打者。巧みなバットコントロールで安打量産。俊足も光る。

 スポニチの注目は、U15アジア選手権最優秀投手に輝いた高い制球力を誇る右腕・川島だ。地元・昌平(埼玉)に進学。すでに1メートル82、80キロの恵まれた体格だ。本紙の取材に元社会人野球・シダックスでプレーした黒坂洋介監督は「春の大会が開催されていれば、もちろんメンバー入りの可能性はあった」と期待を寄せる。

 川島は、自粛期間中「生活リズムを崩さないようにランニング、シャドウや筋トレをしていた」と振り返る。

 若干15歳で日の丸を背負い「緊張もあったけれど高いレベルで野球ができ、とてもワクワクした。試合に対する準備の仕方を周りの選手や他の国のからも学んだ」と話す。昌平への進学は「練習の雰囲気が良く自分に合っている」ことが決め手になって決断。「将来はエースとして昌平高校初の甲子園出場を叶える」と力をみなぎらせる。

 コロナの猛威はまだ終息が見えないが、期待のルーキーたちのデビュー戦にも注目したい。

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2020年7月21日のニュース