五輪復帰へ珍手 加速する野球を簡略化した「BB5」の行方は

[ 2019年11月22日 09:30 ]

東京ドームで練習する侍ジャパン
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 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)の総会が21日まで、大阪府堺市内のホテルで開かれた。さまざまな議論が交わされた中、個人的な想定以上のスピードを感じたのは、野球を簡略化したミニゲーム「ベースボール・ファイブ」(以下BB5)についての整備だった。

 BB5は、強引に例えるならサッカーに対してのフットサルやビーチサッカーであり、ラグビーに対しての7人制ラグビー。野球界は五輪への競技復帰という命題を背負う。ハードルとなるのは世界的な普及と、国際オリンピック委員会(IOC)の掲げる大会の肥大化防止。バットやグラブを用いず、広大な球場も必要とせず経済的で、1チームの選手数も少ないBB5は、五輪復帰への一手として野球界の出した珍手の一つだ。

 ようは手打ち野球。投手はおらず、打者はトスして自分の手で球を打つ。守備は5人。記者は今年42歳だが、小学校時代に親しんだ野球は球場で行う9人制のかっちりとしたものではなく、多くが公園や児童館での手打ち野球であり、もしくはプラスチックのバットを用いた三角ベースだった。その手軽さが、世界的にはマイナースポーツとされる野球の普及につながると期待を集めている。

 もっとも、プレミア12を制し野球大国の一つとして舵を取るべき日本にとっても、少し差し込まれがちな立ち上げスピードだ。来年4月にはアジア大会を行い、来年中にはW杯を行うことをWBSCは決めた。国内にはBB5を仕切る団体は、まだ何一つない。選手も一人もいない。残り数カ月となったアジア大会までに、どれだけ態勢を整えられるのか。代表選手選考も含め、簡単な話ではない。

 ただ、賽(さい)は投げられた。全日本野球協会(BFJ)と日本ソフトボール協会(JSA)の協力の下、新たな団体を立ち上げ、代表チームを結成する必要がある。時期も含め、さすがに現役プロ野球選手とはいかないだろうが、腕に覚えのある野球やソフトボールの熟練者が、国を代表することとなる。

 野球界が目指すのは、7人制ラグビーの五輪採用に続く2匹目のどじょう。だが仮にBB5が五輪に採用されることがあっても、生粋の野球人やソフトボーラーにとっては、それは本願ではないだろう。あくまで世界普及を進めるための一手であり、五輪への野球ソフトボール競技復帰への道のりはやはり簡単なものではない。(後藤茂樹・記者コラム)

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