田淵幸一氏 不発・筒香復調の鍵は?「入」ではなく「人」になれ

[ 2017年4月18日 09:00 ]

筒香の打撃フォーム。連続写真は右から順番に1から9
Photo By スポニチ

 コイ叩きで上昇する。DeNAは18日から首位の広島と3連戦を戦う。筒香嘉智外野手(25)は開幕から14試合60打席連続ノーアーチ。本塁打、打点の2冠を獲った昨季に得意とした敵地マツダスタジアムで巻き返しに出る。通算474本塁打の「ホームランアーチスト」、スポニチ本紙評論家・田淵幸一氏(70)が打撃フォームの連続写真を分析。復調の鍵を解説した。その心は、「入る」なかれ、「人」となれ――。

 現在の筒香の打撃を見ると、上半身と下半身の使い方が逆になっている。下半身が3分の2、上半身が3分の1配分が理想だが、上半身の力だけで打とうとし、結果的にスイングが遠回りしてヘッドも出てこない。軸である左足を地面に突き刺すようにして頭を残す。大木が根を張るかのように体重を乗せなければならない。

 <2>〜<3>にかけて左足の一直線上に頭が来なければいけない。弓を引くように力をグッとためたいが、<3>では右足への体重移動が早いのが分かる。内角球には詰まり、外角球はファウルになるだろう。左打者にとって左足は「エンジン」、右足が「舵(かじ)」。左足がパワーの源。そして右足でタイミングを取り、内外角のボールに対応する。そうして踏み込んだ時に理想的なフォームが「人」。その漢字の上に頭を置けば、左足に体重が残った形になる。逆に駄目なのが「入」。こちらは頭が投手側に向かっていってしまう。「人」にこそ不振脱却の糸口がある。

 <4>でも左足に体重を残しきれておらず、右足が投手側に流れてステップ幅が広くなっている。<5>で右肩、腰が開き、<6>ではバットのヘッドが下がり気味だ。最初に左足に体重が乗っていないことが一連の動作につながっている。3月のWBCに合わせたため、春季キャンプなどでじっくり鍛えられなかった影響は否めない。現状ではトレーニングで走ることを勧める。下半身主導で、インパクトの瞬間に100の力を爆発させれば筒香のバットは必ず火を噴く。 (スポニチ本紙評論家)

続きを表示

この記事のフォト

2017年4月18日のニュース