天草出身ヤクルト山中 巡ってきた地元先発「楽しんで…もらえたら」

[ 2017年4月18日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト―巨人 ( 2017年4月18日    熊本 )

熊本に、色紙に記したエールを送る山中
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 軽々しく、無責任なことは言えない。凱旋登板を果たすヤクルト・山中は、神宮室内練習場で前日調整を終えると、慎重に言葉を選んだ。

 「まだまだ復興への途中だと思う。僕のプレーを見て“頑張ろう”とか、楽しんで…もらえたらいい。本当に。楽しんでもらえたら、いいです」

 導かれるように登板機会が巡ってきた。当初はブキャナンが先発予定だった。ところが11日の中日戦の雨天中止により、先発ローテーションを再編。中5日で山中の登板が決まった。「本当にたまたまなんです。やっぱり緊張しますね」

 熊本県天草市出身。必由館、九州東海大、Honda熊本と進んだ生粋の「熊本人」だ。地震発生当時は埼玉県内の自宅から親族や友人の安否を気遣った。必由館時代の主将の自宅は全壊。何とか連絡は取れたが「希望もない」と返信が戻ってきたという。

 オフの自主トレは地元で行う。今年1月は2年連続で熊本競輪場での競輪トレに励んだ。蓄えた力を発揮する舞台だ。「熊本での公式戦はめったにない。こういう試合に投げさせてもらえて楽しみ」。藤崎台球場は「抑えてもいると思うけど、打たれた記憶が多い」という。今回は地元の大声援が追い風となる。

 ソフトバンクからヤクルトへのトレードも経験した苦労人。故郷への思いを白球に乗せる。 (川手 達矢)

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2017年4月18日のニュース