地震後初の熊本開催 巨人・長野が予告 地元の「立岡がホームランを打つ」

[ 2017年4月18日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人―ヤクルト ( 2017年4月18日    熊本 )

益城町の飯野小学校を訪問した地元・熊本出身の立岡(右)と選手会長の長野
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 巨人とヤクルトが18日、熊本市の藤崎台県営野球場で戦う。昨年4月14日の熊本地震発生後、初めて熊本で行われるプロ野球公式戦だ。熊本出身の巨人・立岡宗一郎外野手(26)は17日、大きな被害があった益城町の飯野小学校を訪問。「野球の力」で、地元復興の支援を誓った。入場券は前売りで完売。ヤクルトもご当地選手、山中浩史投手(31)が先発する。

 笑顔があふれる体育館。一歩外に出れば仮設住宅が広がる。元々はグラウンドだった場所。震災の傷痕はまだ癒えない。立岡は思いを吐露した。

 「1年がたったとはいえ、以前の生活に戻っていない方がいる。少しでも野球の力を使って、いいニュースを九州に届けたい」。昨年4月に発生した最大震度7の地震で、甚大な被害を受けた益城町。飯野小の3〜6年生約80人の中には、仮設住宅から通う児童もいる。立岡は芦北町出身ながら、母校・鎮西高のグラウンドがある益城町は思い出の地だ。

 選手会長の長野と訪れた同校で児童と交流。キャッチボールでは、震災後は就寝時に必ずグラブを身近に置くようになったという野球少年の球を全力で受けた。質疑応答では「ホームランを打ったときの気持ち」を問われた。「僕は(通算)2本しか打ってないので、長野さんに聞いてください」とかわした立岡に、長野から粋な「ホームラン予告」が飛び出した。

 「明日は立岡がホームランを打つみたいなので、期待してください」。子供にも、立岡にも笑顔があふれた。立岡はここまで全14試合に2番で出場。「しっかりバントとかをできるようにしたい」と役割を再確認するのも忘れなかった。

 藤崎台野球場では昨年、地震直後の4月19日に予定されていた巨人―中日戦が中止となった。その試合に先発するはずだった菅野が、18日の先発だ。06年8月に同地での広島戦で決勝打を放った高橋監督は「まだまだ大変な状況。プロとしてできることは、試合を見せて、皆さんの力になれば」と言った。

 立岡は、オフには益城町で野球教室も開催した。「自然と力は湧いてくると思う」という、待ちに待った地元での試合に臨む。 (神田 佑)

 ≪13勝4敗、勝率・765≫巨人の熊本での成績は48〜52年に水前寺で5勝1敗、75年以降に藤崎台で8勝3敗となっており、合計13勝4敗、勝率・765の好成績。91年5月14日の大洋戦からは3連勝中だ。

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