雄星、元G党が初のG倒 真っ向勝負の「昭和のにおいする投手」

[ 2016年6月8日 05:38 ]

<西・巨>力投する菊池

交流戦 西武6-2巨人

(6月7日 西武D)
 4回の攻撃。打線が3点を奪って逆転してくれた。三塁ベンチ前で見ていた西武・菊池の表情が変わる。腕の振りが一気に激しくなる。「悪い時は手で(ボールを)操作しちゃうんで。4回はいいところを狙いすぎた。だから、キャッチボールで“マン振り”したんです」。小手先の投球など自分には似合わない。本来の己の姿を取り戻すための、出力120%のキャッチボールだった。

 3回まで1安打無失点で6奪三振。しかし4回、坂本、長野への連続四球から2失点。4試合、24イニングぶりの失点で一時は逆転を許した。イニング前の「マン振り」で感覚を修正し、直後の5回からの3イニングは打者9人でピシャリ。ラスト7回の112球目には、最速154キロをマークした。

 7回を2安打2失点。交流戦での巨人戦登板は2年ぶりで、4試合目にして初勝利だった。「実は…」。カミングアウトしたのは試合後だ。「僕、巨人のファンクラブにも入ってたんですよ」。野球を始めたばかりの02年には東京ドームで観戦もした。「外国人が好きでした。アルモンテとか、キャプラー、ワズディン…」。01~02年に在籍し、葉っぱをくわえるエピソードで知られた助っ人の名前を真っ先に出すほどの「巨人通」だ。

 「憧れのまなざしで見ていた選手と対戦。普段と違う気持ちの高まりがあった」。球界の盟主を力勝負で圧倒。潮崎ヘッドコーチは「王道、だよね。昭和のにおいがする投手」と評した。平成の野球は、手元で動かすツーシームなどの球種が流行。菊池は一線を画す。剛毅(ごうき)という言葉が似合う。

 自身4連勝で、ハーラートップタイの6勝目。チームは巨人と並んで交流戦首位に立ち、最大9まで増えた借金完済まであと1とした。「5敗した時はしんどかったけど…。自分を信じてやってきて良かった」。小手先の投球など面白くない。だから、菊池の投球は見る者の胸を躍らせる。(鈴木 勝巳)

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