【若菜嘉晴の視点】山田“粗い”印象覆す20人初球ストライク

[ 2016年6月8日 09:32 ]

<ソ・D>3回2死一、三塁、筒香を捕邪飛に抑えた山田はガッツポーズ

交流戦 ソフトバンク6-3DeNA

(6月7日 ヤフオクD)
 ソフトバンクのこの日の勝利は山田に尽きる。これまではスプリットやツーシームを生命線にしてボールを動かすことでがむしゃらに打ち取ってきたが、2年ぶりに見た1軍マウンドでは緩急をうまく使っていた。象徴的だったのが3回2死一、三塁のピンチで、DeNAの4番・筒香への投球。フルカウントから109キロのカーブで打ち取った。本人はお立ち台で「抜けスラ」とも言っていたが、筒香が長打狙いに来ているのを感じ取り、抜けたのではなく抜いた冷静な1球だった。

 フォームに力みがなく、リーチが長い分、球持ちが良く、打者は腕が出てくるのが遅く感じるのだろう。直球が130キロ中盤にかかわらず、DeNA打線は差し込まれている印象。さらに制球も抜群だった。今季ファームでは46イニングで4四球しか与えていないが、この日も初回に警戒しすぎて3、4番を歩かせた2四球のみ。延べ26人の打者と対戦し、初球ストライクは20人。以前は“粗い”というのが山田に対する周囲の評価だったが、今は四球の心配がない上に、打者のタイミングを外す投球に徹しているので大きな“ケガ”はない。

 バンデンハークというエースに代役を立て、6連戦の頭を取ったのは大きい。改めてソフトバンクの投手層の厚さを思い知らされた。(スポニチ本紙評論家)

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2016年6月8日のニュース