山田1100日ぶり勝った!必殺“王カーブ”で筒香斬り

[ 2016年6月8日 06:13 ]

<ソ・D>ウイニングボールを手に工藤監督(右)と笑顔を見せる山田

交流戦 ソフトバンク6-3DeNA

(6月7日 ヤフオクD)
 バンデンの代役も凄いぞ!ソフトバンクの山田大樹投手(27)が7日、2年ぶりの1軍登板となったDeNA戦で先発し、王貞治会長(76)直伝のカーブで7回4安打1失点と好投、13年6月以来の白星を挙げた。チームは6―3で勝利し貯金は今季最多タイの20となった。

 最大のピンチで選んだボールは昔、一番、頼りにならない球種だった。0―0の3回2死一、三塁。2年ぶりの先発マウンドだった山田はフルカウントから4番の筒香に109キロカーブで勝負をした。捕邪飛で切り抜けると7回4安打1失点。13年6月3日の阪神戦(ヤフオクドーム)以来1100日ぶりの白星だ。

 「もう、必死でした。非常に気持ちいい。(カーブは)初球に入ればありがたいくらいの球だったけど、今はカーブありきになりましたね」

 昨季までは打者の手元で動く直球とスライダーボールで凡打の山を築くタイプだった。最初にカーブの大切さを教わったのは背番号121だった09年の秋キャンプ。選抜優勝左腕でもある王貞治会長から「手のひらを空に向けるように」と直伝され、取り組み続けた。5回2死、勝利投手の権利を得るアウトは100キロのカーブで桑原を左飛に取り、思わず笑みがこぼれた。大きく縦に割れるボールを制御するのは至難の業だ。プロ10年目。ようやく「王カーブ」を自分のものにした。

 「弱点」の克服で制球が向上した。制球難は乱視で左右の視点がずれるたのが原因と分かり、コンタクトレンズをした上から乱視矯正めがねをかけたのは昨季からだった。「(乱視は)コントロールにも影響していた」。ウエスタン・リーグは今季4勝0敗、防御率1・96で46イニングを投げて4四球と課題を克服。初回2死一、二塁でロペスに3球目を左翼へ大ファウルを打たれた時も目で打球を追わなかったのは「LEDライトが視線に入るときつい」と目の影響を考えてのことだった。

 疲労でバンデンハークが出場選手登録を抹消されたが、代わった山田がその穴を感じさせない。貯金は今季最多タイ20となり、工藤監督は「自分の持ち味を出していい投球をしてくれた。今のところ次も行く予定」と助っ人右腕の休養期間を延長することを決めた。

 「やってきたことは間違いじゃなかった」。11年は7勝、12年にも8勝したが、選手層に跳ね返され続けた。背番号34は3年ぶりに手にした白星をかみしめていた。(福浦 健太郎)

続きを表示

2016年6月8日のニュース