早大“タナボタ”リーグ最多45度目V 巨人ドラ2重信は初首位打者に

[ 2015年11月2日 05:30 ]

<早大・慶大>歓喜の輪にジャンプして加わる早大・重信

東京六大学野球最終週最終日 早大2―0慶大

(11月1日 神宮)
 早慶戦2回戦が行われ、早大が慶大を2―0で下し、2季連続のリーグ優勝を飾った。通算45度目の優勝は法大を上回り、リーグ最多となった。巨人からドラフト2位指名を受けた1番の重信慎之介外野手(4年)は2安打を放ち、打率・432で初の首位打者を獲得。先発の大竹耕太郎投手(2年)が4安打に抑え、春の早慶戦に続き完封勝利を挙げた。早大は13日に開幕する明治神宮大会に出場する。

 2―0で迎えた9回2死一塁。重信は西日に視界を遮られながら、右翼に上がった打球をつかんだ。リーグ最多の45度目の優勝。50メートル5秒7の快足を飛ばし、マウンドの歓喜の輪に飛び込んだ。

 「(最後は)全然、打球が見えず、ちょっとヒヤッとした。早慶戦の前に、監督さんから“棚から落ちてきたぼた餅は食べないと意味がない”と言われて食べたなと。凄くうれしい」。首位を走っていた明大が先週の法大戦で勝ち点を逃したことで、自力優勝の可能性が復活。2季連続でリーグ制覇した高橋広監督は「最高の学年だった」と称えた。

 重信はドラフトで2位指名を受けた巨人の高橋監督と、OBで憧れのジャイアンツ・青木の前でリードオフマンの役目を果たした。3、5回に中前打と左翼線二塁打。4打数2安打で連日のマルチ安打をマークし、打率・432で初の首位打者に輝いた。未来の指揮官の視察を試合後に知り、「打撃面では持ち味を出せたと思うけど、できれば盗塁したかった」と悔やんだ。それでも今季は7盗塁で、現役最多の盗塁数を39に伸ばした。

 今春も打率・313をマークしたが「凄く苦しかった」と振り返る。足を生かそうとするあまり「転がさなきゃと思って、引きつけようとしすぎた」。夏には元早大監督の石山健一氏(73)の元を訪れて指導を受けた。グラウンドでは打撃投手の肩が上がらなくなるほど打ち込み、フォームを固めた。リーグ戦中はデータ室に通い、全投手の投球時のクセや配球をチェックして頭に叩き込む姿もあった。「支えてくださった人たちのおかげ」と感謝した。

 副将としてもチームを引っ張り、9月27日に死去した元監督の石井連蔵氏(享年83)にささげるリーグ制覇ともなった。13日開幕の明治神宮大会を制すれば、東京六大学では史上初となるリーグ戦、全日本大学選手権との4冠達成となるが、重信は「まだ、お餅を半分食べただけ。神宮大会で優勝して、あと半分食べたい」と貪欲だ。早実時代から7年間着続けた「WASEDA」のユニホームは、この日も勲章のように土で汚れていた。 (松井 いつき)

 ▼早大・河原主将(リーグ最多の45度目の優勝に)選手みんなが諦めずにやった結果。OBの方から超えてくれと言われていたので光栄。

 ▼早大・茂木(楽天から3位指名)苦しい試合が多かった中で優勝できて、素直にうれしい。神宮大会も一戦必勝で戦う。

 ◆重信 慎之介(しげのぶ・しんのすけ)1993年(平5)4月17日、千葉県生まれの22歳。佐倉シニアでは3年時に全国大会4強。早実では2年夏に甲子園出場。早大では1年春にリーグ戦デビューしベストナイン2度(3年秋、4年秋)受賞。4年秋は首位打者。リーグ通算83試合で打率.333、2本塁打、22打点、39盗塁。1メートル73、70キロ。右投げ左打ち。

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