阪神13日にもマジック点灯 マートン決めた!11回サヨナラG倒

[ 2015年9月10日 05:30 ]

<神・巨>11回、マートン(右)はサヨナラ適時打を放ち、ナインからシャワーの祝福を受ける

セ・リーグ 阪神4-3巨人

(9月9日 甲子園)
 首位・阪神は9日、3位・巨人に今季8度目のサヨナラ勝ち。同点の延長11回にマット・マートン外野手(33)が左中間への適時二塁打で決めた。試合がなかった2位・ヤクルトとのゲーム差を1に広げ、巨人は3ゲーム差に突き放した。7回に一時勝ち越しを許しながら総力戦でつかんだ1勝。早ければ13日にも優勝マジックが点灯する。10日も勝って巨人に引導を渡し、Vロードを加速させる。

 一塁ベースを蹴る前に1度、そして一塁ベースを回って2度、マートンは右拳を甲子園の夜空に突き上げた。3―3の延長11回1死二塁。カウント1ボール2ストライクからマシソンの内角に流れてくるフォークを振り抜いた。打球は左中間に落ちるサヨナラ適時二塁打。水をかけられ、ナインの手荒い祝福に表情は崩れっぱなしだった。

 「前の打席まで結果は出なかったが、打席の感覚は良かったので、最後はいい形で打てると思っていた」

 そこまでは4打数無安打。同点で迎えた8回1死一、三塁では左腕・山口の前に最悪の三ゴロ併殺に倒れていた。ただ、内角球を振り抜いた強い打球だった。最後は自分を信じ、3月27日の開幕・中日戦(京セラドーム)以来、自身今季2度目のサヨナラ打。通算6度目は、阪神の外国人では最多となった。

 負ければ2位・ヤクルトに同率に並ばれ、巨人にも1ゲーム差に迫られる一戦。和田監督も迷いなくタクトを振った。9回から登板し、無死三塁のピンチをしのいだ守護神の呉昇桓を10回もマウンドに送った。球宴以降、1回1/3が最長だった。10回2死二塁。村田を迎えた場面で指揮官は珍しくマウンドに向かった。「勝負しろ!」。次打者は小林だったが、指揮官の執念は守護神に伝わり、中飛に抑えた。劇的勝利に「最後の最後でマートンが決めてくれた。きょうは何としても獲りたかった。全員の力でつかんだ勝利」と興奮を隠しきれなかった。

 巨人との3連戦を前に、7日の月曜日では異例とも言える全体練習を敢行。練習前の円陣の中心で和田監督は訓示した。「第4コーナーを回ってここからが勝負だ。ムチを入れていこう。今こそ“AS ONE”の気持ちで」。今季のスローガンを口にし、チーム一丸を説いた。前日は雨で流れたが、この試合に懸けるナインの思いが逆転勝利を呼んだ。

 お立ち台に上がったマートンは、日本語でファンに誓った。

 「イマ、ロクネンメ(6年目)。ユウショウナシ。ジス(THIS)イヤー、ガンバリマショウ!」

 ちょうど1年前。9月9~11日の甲子園での3連戦で巨人相手に3連敗を喫し、優勝は絶望的となった。今度は巨人に引導を渡す。10日の第2戦へ、大きな自信と勢いを得た。

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