楽天・則本 お見舞い完封勝利 「監督の宿敵」巨人斬り

[ 2014年5月29日 05:30 ]

<巨・楽>ベンチに置かれた星野監督のユニホームの前でウイニングボールを手に笑顔の則本

交流戦 楽天4-0巨人

(5月28日 東京D)
 監督に最高の投球を届けた。楽天・則本昂大投手(23)が28日、巨人戦で先発。散発の3安打、7三振で2試合連続の完封勝利(今季3度目)を飾った。星野仙一監督(67)が難病の「胸椎の黄色じん帯骨化症」などで休養する中、6回2死までノーヒットと気迫の投球を披露。昨年の日本シリーズの再戦で、またも輝いた。

 魂を込めた。投じた110球の全てに。闘将が見ていてくれる。則本は熱い思いを胸に、魂のボールを投げ込んだ。

 「星野監督に届くような投球をしたかった。監督の宿敵である巨人を倒したいと思ってた」

 ベンチ最前列のホームベース寄り、指定席にあるのは背番号77のユニホームだけ。それが全てを物語っていた。ぶざまな投球は絶対できない。まして相手は巨人。指揮官にとって中日の現役時代から永遠の宿敵だ。「去年の日本シリーズからずっと言っていた。この試合の指揮も執りたいと言ってたくらいですから」。その宿敵を目前にチームを離れなければならなかった無念を思い、ひたすら右腕を振り抜いた。

 MAX153キロ。直球が走り、スライダーとフォークが切れた。「いつも以上に腕が振れ、体が動いた」という立ち上がりは、バランスを保つのに苦労した。感覚と動きがマッチした3回。中井を空振り三振に仕留めた1球が153キロを計測した。2回の阿部、7回のセペダは内角低めの直球で見逃し三振。強力打線の主軸に、力勝負でスイングさせなかった。「打者から逃げるな」という教えを実践し、6回2死までノーヒット。最後まで攻めて散発3安打、三塁も踏ませずに2試合連続完封で6勝目だ。

 星野チルドレンの旗頭でもある。12年ドラフトで無名の三重中京大の右腕を「先に獲られるなら行け!」と、2巡目指名を強行したのが星野監督だった。翌春のキャンプでひと目見て「これは使える」。新人なのに開幕投手に指名してくれた。それに応えて15勝で新人王。エース田中(現ヤンキース)がいなくなった2年目の今年、何を期待されているかは分かっていた。ただ勝つだけではない。苦しいときにチームを救い、奮い立たせる投球。だから「一生懸命、魂を込めて投げました」と胸を張った。

 歩くこともままならない指揮官は、手術を受ける方向で長期離脱は避けられない状況。ミーティングで立花陽三球団社長は「監督は毎日、テレビで試合を見ると思う。恥ずかしいプレーは見せられない。きょうからスタート。日本一のプライドを持って戦おう」と訓示。昨年の日本シリーズに続いて宿敵を倒し、則本はヒーローインタビューでこう呼びかけた。

 「監督、やりました!これからチームはもっと勝っていきます。早く戻ってきてください」。エースの魂の叫びだった。

 ≪パの最多連続試合完封は3≫則本(楽)が22日DeNA戦に続き2試合連続今季3度目の完封勝利。楽天投手で巨人に完封勝利を挙げたのは08年6月15日岩隈に次いで2人目で、公式戦初対戦では則本が初めてだ。またチームで2試合連続完封は田中が11年10月8日ロッテ戦、同月16日日本ハム戦でマークしたのと並ぶ球団タイ。交流戦で2試合以上の連続完封は11年ダルビッシュ(日)の3試合を筆頭に7人目だが楽天では初めてになる。なお、パの最多連続試合完封は前記ダルビッシュまで8人(9度)が記録した3試合連続。次回登板で則本はリーグ9人目、球団では初の記録に挑戦する。

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