東海大菅生 元中日投手の監督 “教え子”1年生劇打に感激

[ 2013年7月19日 06:00 ]

<東海大菅生・多摩大聖ケ丘>ベンチでアドバイスを送る東海大菅生・若林監督

西東京4回戦 東海大菅生4―3多摩大聖ケ丘

(7月18日 市営立川)
 東海大菅生の勝俣が流し打った打球が、左翼手の頭上を越えた。1点を追う9回1死満塁から、2走者が生還した。殊勲の1年生は先輩と抱き合い「凄くうれしい。監督が“思い切り振れ”というジェスチャーをしていたので自分で決めようと思っていた」と笑顔を見せた。

 元中日投手の若林弘泰監督は「勝俣さまさまですね」と言った。指揮官は引退後に名城大に通って教員免許を取得し、09年に監督に就任した。元プロ選手は今年から学生野球資格回復の規制が緩和され、プロアマ双方の研修を受講すれば、教員免許を持たずに学生を指導できるようになった。年内にも資格を回復する元プロ選手が誕生する。

 そんな中、社会科教諭の若林監督は、元プロ選手の指導者が増えることを歓迎しながらも「私の考えでは、高校野球の監督は教壇に立つべきだと思います」と教育者としての視点が重要だと力説した。現在は1年生のクラス担任も務め、勝俣は教え子だ。普段の学校生活も把握しながら、3番を任せた。

 「地理の授業は面白くて分かりやすい」と勝俣。元プロの先生とともに、06年春以来の甲子園を目指す。 

 ◆若林 弘泰(わかばやし・ひろやす)1966年(昭41)4月22日、神奈川県生まれの47歳。東海大相模―東海大―日立製作所を経て、91年ドラフト4位で中日入り。95年に1軍デビューし、8月10日の巨人戦でプロ初勝利。通算17試合で1勝1敗、防御率8・85。引退後は佐川急便などで勤務し、09年から東海大菅生の監督に就任した。社会科教諭。

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