お手柄の青森山田野球部員 夢は警察官 刃物男取り押さえ感謝状

[ 2013年7月19日 06:00 ]

青森県警から贈られた感謝状を手に笑顔の佐藤和哉君

 青森県警は18日、青森市の公園駐車場で16日起きた殺人未遂事件で、包丁で女性に切りつけた男を取り押さえた青森山田高校3年の野球部員佐藤和哉君(17)に感謝状を贈った。

 佐藤君は16日、全国高校野球選手権青森大会が行われていた市営野球場近くでお手柄を立てた。小学校のころから警察官になるのが夢だといい、「将来への励みになりました」と、感謝状を手に満面の笑みを浮かべた。

 憧れの場所の県警本部にヒーローとして招かれた佐藤君は当初、緊張を隠せない様子だったというが、表彰を終えると硬さもほぐれ、県警の山本有一本部長らと歓談。「小さい頃から、(警察官を)かっこいいと思ってました」と夢を語ったところ、本部長は「人を助けたいと向かっていく気持ちは尊いし素晴らしい。これからもスポーツを頑張って、勉強もたくさんしてください」と激励した。

 お手柄の後、佐藤君の行動を称賛する電話が高校に数多く入るなど、一躍注目を浴びた。当時の心境をあらためて振り返り、「行かなければいけないと思った。怖くはなかった」と話した。両親からは「今度同じような場面に出くわしたら、行くな」と言われたことを明かして笑いを誘いつつ、「でもきっと、また同じ行動を取ると思います」と引き締まった表情で話した。

 「一生懸命勉強して、人を助けられる仕事に就きたい」と笑顔を見せた“未来の警察官”。県警広報は「行儀よく誠実な印象を受けた。これからも頑張ってほしい」と、早くもほれ込んでいた。

 青森山田は現在、県大会のベスト8まで勝ち進み、19日に五所川原商との準々決勝を控える。ベンチ入りは逃した佐藤君だが、スタンドから4年ぶりの甲子園出場を信じ声援を送る。

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2013年7月19日のニュース