個性派集団ジャイアンツ スイープで2年ぶり世界一

[ 2012年10月30日 06:00 ]

2年ぶり7度目のワールドシリーズ優勝を果たし、喜ぶジャイアンツナイン

ワールドシリーズ第4戦 ジャイアンツ4-3タイガース

(10月28日 デトロイト)
 米国の「巨人」がスイープで世界一だ。ワールドシリーズ第4戦は28日(日本時間29日)、デトロイトで行われ、ジャイアンツが延長10回、4―3でタイガースを撃破。個性派集団が底力を見せつけ、負けなしの4連勝で2年ぶり7度目の優勝を果たした。シリーズMVPには第1戦で3打席連続本塁打を放ったパブロ・サンドバル内野手(26)が選出。世界一パレードは31日(日本時間11月1日午前3時)に地元サンフランシスコで行われる。

 ジャイアンツの選手たちが雨の中で抱擁を重ね、歓喜の雄叫びを上げた。タイガースとの史上初の「GT決戦」。4戦全勝でスイープしたブルース・ボウチー監督は「周りはチームプレーと簡単に言うが、彼らは真にそれをやってのけた」と万感の表情を浮かべた。

 2回、第3戦まで10打数無安打のベルトが先制三塁打。延長10回には3試合で打率・167だったスクタロが決勝打を放ち「このチームで戦えて最高!」と吠えた。地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズでいずれも、負ければ終戦の崖っ縁から3連勝した勢いは止まらなかった。

 今や定着した試合前のベンチでの儀式。今季途中に加入したペンスが円陣で「みんなで勝とう」「どの打席も無駄にするな」などと叫び、全員で手拍子、ジャンプ。さらに全員でひまわりの種、ガム、紙コップなどをぶちまける。最初の崖っ縁、地区シリーズ第3戦から始まったものだ。4月には守護神ウィルソンが右肘手術で離脱。8月には打率首位だった主砲のカブレラが薬物違反で戦列を離れたが、投打の主力を欠いたことで結果的に結束力は高まった。

 「紳士たれ」が球団方針の日本の巨人や同様に規律に厳しいヤンキースとは違う。移動時にスーツは不要。サイ・ヤング賞2度のリンスカムは長髪、ウィルソン、ロモら救援陣は長い顎ひげと、何でもありだ。本拠地のベンチ裏通路には「ジャイアンツ・ウエー」の文字。自由で個性的なジ軍流という意味で、勝利のためだけに一丸となる。レギュラーシーズンで不調だったエースのリンスカムはポストシーズンでは中継ぎで好投した。

 ブライアン・セービアンGMは「われわれはこの日を迎える運命にあった」と言った。10年「パッチワーク軍団」と呼ばれた前回優勝時の主力野手はポージーだけだが、今シリーズMVPのサンドバルらも成長。一方、適材適所の補強は健在で途中加入のスクタロやペンスが活躍した。今シリーズ防御率1・46でタ軍打線を封じた投手陣はリンスカム、ケーン、バムガーナーらが来季も契約を残す。個性派集団が、ここから円熟期を迎える。

 ▽サンフランシスコ・ジャイアンツ 1883年にニューヨーク・ゴサムズとしてナ・リーグに参加。86年からチーム名をジャイアンツに変更した。1958年に本拠地をカリフォルニア州サンフランシスコに移転。ワールドシリーズ制覇は7度目。ウィリー・メイズや通算762本の本塁打記録を持つバリー・ボンズらが在籍した。日本人初の大リーガー、村上雅則投手も64~65年にプレー。新庄剛志外野手、藪恵壹投手も在籍した。本拠地はAT&Tパークで収容人員4万1915人。

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