完投少ない 沢村賞は該当者なしの声も

[ 2012年10月30日 06:00 ]

沢村賞選考会を行う(左から)北別府氏、堀内氏、土橋氏、平松氏、村田氏

「沢村賞」選考委員会

 ソフトバンク・摂津と広島・前田健に候補は絞られた。受賞の基準である7項目のうち、両者ともに5項目をクリア。議論の末、勝利数と勝率で上回った摂津が5人の選考委員のうち、4人の同意で選ばれた。

 ただ選考委員会では該当者なしとすべきという意見もあった。昨年受賞した楽天・田中は7項目を全てクリア。村田氏が「沢村賞の価値を考えると該当者なしを貫いた」と話したように、最後まで全会一致とはいかなかった。土橋委員長は摂津の成績を認めながらも「200イニング以上の投球回数に達したのは前田健と成瀬(ロッテ)しかいない。144試合で完投数は(楽天・田中の)8が一番多いのでは物足りない」と注文をつけた。

 ▼村田兆治氏 過去の受賞者の名誉や地位を考えると(沢村賞には)「こういう素晴らしい大投手がいた」という価値がある。今年は該当者なしを貫きました。

 ▽沢村賞 プロ野球史上初の無安打無得点試合を達成した大投手、故沢村栄治氏(巨人)の功績を称え1947年に制定。シーズンで最も優れた先発完投型の投手に贈られる。2リーグ分立の50年からセ所属投手だけが選考対象となり、89年から両リーグに広げられた。選考基準は「登板数25試合、完投10試合、15勝、勝率・600、200投球回、150奪三振、防御率2・50」の7項目。加えてチーム勝利への貢献度、被本塁打、自責点、連勝連敗、プロ野球選手としての品格なども参考基準として加味。受賞者には金杯と副賞300万円が贈呈される。

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2012年10月30日のニュース