摂津が沢村賞「最優秀中継ぎ」経験者で史上初

[ 2012年10月30日 06:00 ]

「沢村賞」を受賞し笑顔で会見する摂津

「沢村賞」選考委員会

 プロ野球創設期の名投手、故沢村栄治氏を記念した「沢村賞」の選考委員会(土橋正幸委員長)が29日、都内で開かれ、ソフトバンクの摂津正投手(30)が初選出された。最多勝、最高勝率の2冠に加え、基準7項目中5項目をクリアし、最優秀中継ぎ投手のタイトル経験者として史上初の快挙となった。選考は広島の前田健太投手(24)との争いになったが、最終的に委員5人のうち4人が摂津を推した。

 決して遠回りではなかった。投手最高の栄誉である沢村賞の受賞会見に臨んだ摂津は、中継ぎの経験を強調した。

 「正直、選ばれるとは思っていなかった。投手として最高の賞なのでうれしいです。プロ入りして中継ぎをやった経験を生かせたからこそ、この賞を獲れた」

 プロでは中継ぎからスタートし、09、10年と2年連続で最優秀中継ぎ投手に輝いた。先発転向2年目だった今季、忘れられない試合がある。7月25日の日本ハム戦(札幌ドーム)の2回。無死から中田に先制ソロを浴びたが、なお無死満塁のピンチは切り抜けた。「本塁打を打たれた後、満塁をくぐり抜けられた」。その試合は敗れたが、7回1失点。先発としての役割を自覚した試合だった。

 08年のドラフト5位入団。JR東日本東北時代には地元の楽天のイベントの裏方として仕事をしたこともある。ダルビッシュ(レンジャーズ)や田中(楽天)ら高校時代から注目された近年の受賞者とは、また違った経歴をたどった右腕が鮮やかな輝きを放つまでになった。それでも「(歴代の受賞者と)肩を並べたとは思っていない」とあくまでも謙虚な姿勢を崩さなかった。

 ただ、満足感はない。選考基準の7項目中、200投球回と10完投は達成できなかった。来季は「7項目」完全制覇を狙うつもりでいる。

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