中田強行出場 左手「ドラえもんみたい」でも出る

[ 2012年10月30日 06:00 ]

患部を気にしながら搭乗口に向かう中田

 中田と心中――。巨人との日本シリーズ第2戦(東京ドーム)で左手甲に死球を受けて、途中交代した日本ハム・中田翔内野手(23)が30日の第3戦(札幌ドーム)で強行出場する。左手甲の打撲と診断された患部は腫れが残り、29日の全体練習に主砲は不参加だったが、栗山英樹監督(51)は「4番・左翼」での起用を明言。連敗スタートと苦しい立場に立たされたチームを手負いの主砲が救う。

 敵地での2試合で打線はわずか1得点。よもやの連敗スタートを断ち切るには、巨大戦力に打ち勝たなくてはいけない。誰よりも中田自身がそれを感じている。「ここにきて試合を休むことは一番したくない。何が何でも出たい。腫れさえ治まれば、何をしてでも出る」。手負いの4番は悲壮な覚悟を口にした。

 28日の第2戦(東京ドーム)で沢村から左手甲に死球を受けた。「あんなに痛い死球は初めて」。4回の第2打席で力ない一邪飛に倒れると、首脳陣から強制交代を命じられた。診断は打撲。一夜明けても患部は腫れ、痛みも残った。福良ヘッドコーチに「ドラえもんみたいですよ」と見せたほどで、前夜は痛み止めの薬も効かず「ジンジンして夜が一番きつかった」と打ち明ける。

 東京から札幌に戻ったチームは全体練習を行ったが、中田はユニホームにも着替えず、アイシングと電気治療に専念。「変に動かさない方がいい」と今季初めて練習を回避し、バットも手にしなかった。

 今季全144試合に4番として先発出場。6月末までは打率1割台に低迷も、夏場以降は勝負強い打撃で3年ぶりのリーグ優勝に貢献した。その存在は、今やチームになくてはならない。栗山監督は「“翔がいなくなったら困る”とみんなが認識する状態になっている」と話し、その上で「(中田に)“いくよ”と言った。4番として苦しみまくってきたことが生きると信じている」と強行出場を明言した。

 第3戦からの札幌ドームは東京ドームと比べて左中間、右中間が6メートルも広い。守備力も勝負を左右するポイント。「グラブをはめるのも痛い」という中田は今季リーグトップの19補殺。栗山監督は「札幌ドームの広さを考えたら翔の守備力は大きな意味を持つ。翔の肩は必要」とし、あくまでも「4番・左翼」での起用が大前提と示唆。清水外野守備走塁コーチも「いけるとなったら彼と心中だから」と話した。

 歯を食いしばってでも出場したい理由もある。第3戦はテレビ中継のゲスト解説としてダルビッシュ(レンジャーズ)が札幌ドームを訪れる。中田が兄貴分と慕う先輩の前でぶざまな姿は見せられない。10月16日に電撃訪問を受けた際には「しっかりやれよ」と激励され、「もっと成長した姿を見せたい」と話した。09年日本シリーズでは2度の代打で2三振。今は求められる立場も自覚も違う。「出ることしか考えていない」。逆転日本一をつかむため、自分のバットでチームを勝利に導く。

 ▼日本ハム・福島チーフトレーナー レントゲンでも大丈夫そうだし、もう病院へは行きません。代謝がいいと腫れも出てくるので(きょうは)あんまり動かせなかった。きのうより痛みは治まっている。

 ▼日本ハム・福良ヘッドコーチ 最終的にはあしたになってみないと分からんよ。でも、出るとしたらDHはない。

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