被災県代表3校に大きな拍手 「ここに立ててうれしい」 

[ 2011年8月6日 11:15 ]

第93回全国高校野球選手権大会が開幕し、開会式で入場行進する宮城県の古川工高ナインと福島県の聖光学院ナイン

第93回全国高校野球選手権大会開会式 

(8月6日 甲子園)
 傷ついた郷里に思いをはせ、憧れの舞台の土を踏みしめた。東日本大震災で甚大な被害が出た東北3県の代表校の選手が開会式に臨み、“聖地”甲子園に登場した。

 岩手県代表の花巻東高を先陣に3校の選手がグラウンドに現れ、校名が場内にアナウンスされると、ほぼ満員のスタンドからはひときわ大きな拍手が送られた。3校の選手は正面を見据え、腕を振って堂々と行進。今も震災の爪痕が深く残る被災地への思いを胸に、力強く、前に進んだ。

 花巻東高には津波で自宅や親族を失った部員がいる。苦難を乗り越えて甲子園にたどり着き、菊池倭主将(18)は「震災当初から考えてみれば、ここに立っていられることが本当にうれしい」と笑顔で話した。

 春夏通じて初の甲子園大会出場となる宮城県古川工高の今野晴貴主将(18)は「雰囲気にのまれそうになった」と圧倒された様子だったが「宮城県代表として堂々と胸を張って歩けた。皆さんの支援で甲子園に来られた。宮城に元気を与えられたらいい」と晴れ晴れとした表情だった。

 福島県代表の聖光学院には福島第1原発近くの原町高から「被災地の分まで頑張ってくれ」とのメッセージが伝えられていた。小沢宏明主将(18)は「思いをしっかり感じて、自分たちができることを一つ一つやる」と決意を新たにした。

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2011年8月6日のニュース