09年夏準V彷彿!日本文理、猛打で開幕戦制した

[ 2011年3月24日 06:00 ]

<日本文理・香川西>6回1死満塁、日本文理の代打・薄田は左中間に2点適時二塁打を放つ

センバツ1回戦 日本文理8-1香川西

(3月23日 甲子園)
 アルプス席のブラスバンドの演奏は禁止され、例年とは異なる雰囲気が漂う開幕試合。その中で日本文理のベテラン、大井道夫監督は勝負に徹した。

 「被災者のことを考えると、野球をやってもいいのか複雑な気持ちだった。やらせてもらえただけでチーム、選手にはありがたい」

 そう振り返る69歳の指揮官は1点リードの6回、相手投手が制球を乱して1死満塁と広がった好機に代打策に出た。勝負強さに定評ある背番号15の薄田を打席に送ると期待に応えて左中間へ2点二塁打。流れを一気に引き寄せた。8回にも3点を加えて11安打8得点。猛打で準優勝した09年夏を彷彿(ほうふつ)させる快勝だった。

 大井監督の教え子で、宮城県石巻市で野球を続けている3人も今回の東日本大震災で被災した。連絡が全くつかず、地震発生から4日後にやっと全員の無事を確認。07年の新潟県中越沖地震で被災経験がある指揮官にとっても、今回の大震災は人ごとではなかった。スタンドには09年夏のエース伊藤直輝も応援に駆けつけた。現在は東北福祉大で野球を続ける伊藤自身は沖縄キャンプ中で難を逃れたが、被災した友人たちを思いながら応援に徹した。

 昨秋公式戦でチーム打率・257と沈黙した自慢の打線が、大舞台で完全復調。「信じられないほどよく打った」と話した大井監督は「試合を見てくれて少しでも頑張ろうという気持ちになってくれたら、こんなに幸せなことはない」と続けた。09年夏の決勝戦は、6点を追う9回裏2死から怒とうの攻撃で1点差に迫り、全国を感動させた。そして2011年春。被災地への思いを込めた1勝で、日本文理が力強い第一歩を踏み出した。

 ≪湯本3安打!高橋ダメ押し打!≫日本文理は湯本、高橋が09年夏の準優勝メンバー。当時は1年生ながら中堅を守った湯本は初回、1死二塁から右前先制打を放つと3回は中前打、6回は左前打と3安打の活躍。高橋も8回にダメ押しの2点三塁打を放った。副主将も務める湯本は「やっぱり先制打が印象的だった。2年前よりも落ち着いて打席に入れました」と胸を張った。

 ▼09年夏の日本文理 寒川との2回戦で夏5度目の出場にして大会初勝利を挙げると、日本航空石川との3回戦、立正大淞南との準々決勝では大会史上初となる2試合連続毎回安打をマーク。中京大中京との決勝は4―10の9回2死走者なしから、7者連続出塁の執念で1点差まで追い詰めた。5試合連続2桁安打と猛打が光った。

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