創部111年の北海、創部1年に意地の春1勝

[ 2011年3月24日 06:00 ]

<北海・創志学園>8回1死、川越は山本から右中間ソロを放つ 

センバツ1回戦 北海2-1創志学園

(3月23日 甲子園)
 創部111年目の古豪の意地だった。北海は創部1年で甲子園に出場した創志学園を下して88年のセンバツ以来、23年ぶりの春1勝。先制打に決勝ソロと3安打2打点の4番・川越は「23年ぶりというのは知らなかったけど、勝てたことはうれしい。相手は2年生と思えないプレーをしていたけど、いいペースで試合運びできてたので負ける気はしなかった」と胸を張った。

 昨秋公式戦のチーム本塁打はゼロ。8回1死から中堅席へ飛び込んだ川越の一打は、客席で弾んでグラウンドに戻ってきた。外野フェンスに当たったと判定され、川越は全速でダイヤモンドを1周。一度はランニング本塁打と発表されたが、試合後に柵越えの本塁打と訂正されるドタバタに「入ったと思ってました」と苦笑いした。

 今オフから平川敦監督の発案で空手トレーニングを導入。正拳突きなど3パターンの突きの練習で、力を抜いた状態から余分な力を入れずに力を伝える練習に取り組んできた。これが緊張感の増す試合の終盤で貴重な一打を呼び込んだとあって、主砲は「空手で力まずに力を入れられるようになったからですかね」と効果を口にした。

 63年センバツでは準優勝経験を持つ伝統校。23年ぶりの春1勝をきっかけに波に乗っていく。

 ≪エース玉熊10奪三振≫2年生エース玉熊が切れのある直球を軸に10三振を奪い、1失点で投げ抜いた。「カウントを稼げる球として冬に練習してきた」というチェンジアップも初球から大胆に配した。日本選手権で全国準優勝を果たした中学3年時の09年10月3日、札幌ドームでの日本ハム―ロッテ戦で始球式の大役を務めた。「今までで一番緊張した。でも、それから人数の多さに緊張することがなくなった」と、この日も甲子園の雰囲気に臆することはなかった。

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2011年3月24日のニュース