“ハマトラ軍団”横浜隼人 聖地へあと1勝

[ 2009年7月29日 06:00 ]

<桐光学園・横浜隼人>8回2死二塁、菅野の中前適時打で生還し、ガッツポーズの菅原(左)

 第91回全国高校野球選手権(8月8日開幕、甲子園)の神奈川大会準決勝では横浜隼人が桐光学園に勝ち、初の決勝進出を決めた。

【試合結果


 【神奈川・横浜隼人5-1桐光学園】横浜隼人の勢いが止まらない。準々決勝の横浜に続いて、桐光学園を5―1で撃破。優勝候補を相次いで破って、89年の創部以来初の決勝切符だ。歴史を塗り替えたナインの笑顔が、雨模様の横浜スタジアムに輝いた。
 背番号11の今岡が大仕事だ。1メートル72の2年生右腕は、左打者に対して外に沈み込むシンカーを多投。2点リードの8回1死一、二塁ではカウント1―2からシンカー勝負。連続で空振りを奪って三振に斬ると、続く打者も中飛でピンチを脱した。「1球で試合が決まることもある。制球ミスしないよう投げた」と胸を張った。もともと横浜の強打者・筒香(つつごう)対策で磨いた“魔球”。横浜戦で筒香を無安打に抑え、延長10回9失点完投した。自信をつけて臨んだこの日も9三振を奪って連続完投だ。
 水谷監督は徳島出身で、大の阪神ファン。89年の創部とともに監督就任し、阪神のユニホームのデザインを取り入れた。阪神がデザインを変更するたび、同校のユニホームもモデルチェンジ。フリー打撃中には「金本は軸がぶれないぞ」など、指揮官が熱いゲキを飛ばす。03年にOBの小宮山が阪神に入団し、関西方面での練習試合の際に観戦。阪神の今岡と同じ名前の控え投手の今岡が、ラッキーボーイになるなど何かと縁がある。
 そんな猛虎イズムが注入されたナインが、甲子園にあと1勝に迫った。指揮官は「自分たちの勢いを甲子園に持って行って、阪神に少しでも力を与えたい」と真顔で宣言。水谷監督が命名した“ハマトラ軍団”が聖地で縦ジマのユニホームを披露するまで、あと1勝だ。

続きを表示

2009年7月29日のニュース