「ふてほど」Pに聞く　続編・スピンオフの可能性は？反響「全く」予想外　クドカンとの次回作「ゼロから」

「不適切にもほどがある！」磯山晶プロデューサーインタビュー（2）

金曜ドラマ「不適切にもほどがある！」最終回（第10話）。昭和に戻った小川市郎（阿部サダヲ）は野球部の監督として…（C）TBS
Photo By 提供写真

　俳優の阿部サダヲ（53）が主演を務め、1月クール最大の話題作となったTBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある！」（金曜後10・00）は29日、15分拡大で最終回（第10話）を迎える。脚本の宮藤官九郎氏（53）と長年、ゴールデンタッグを組む磯山晶プロデューサー（TBSスパークル）に最終回に込めた思い、続編やスピンオフの可能性を聞いた。宮藤氏との次回作については「（ヒット作の作り方を）体得したわけではないので、次の作品につなげられないですね、と（苦笑）。また、ゼロから作りましょう、という会話になっています」と明かした。

　＜※以下、ネタバレ有＞

　宮藤氏がオリジナル脚本を手掛けるヒューマンコメディー。「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」の宮藤氏＆阿部＆磯山氏が「タイガー＆ドラゴン」以来19年ぶりにタッグを組んだ。主人公は1986年（昭和61年）から2024年（令和6年）にタイムスリップしてしまった“昭和のダメおやじ”体育教師の小川市郎。彼の“不適切”な言動がコンプライアンスで縛られた令和の人々に考えるヒントを与える。

　毎回、昭和と令和のギャップなどを小ネタにして爆笑を誘いながら、「多様性」「働き方改革」「セクハラ」「既読スルー」「ルッキズム」「不倫」「分類」などの社会的なテーマをミュージカルシーンに昇華。コンプライアンス社会に一石を投じる宮藤氏の意欲的な筆が冴え渡り、SNS上で大反響を呼んでいる。

　タイムマシン運行は残り1往復分。犬島渚（仲里依紗）を連れ、昭和に向かった市郎は…。そして、86年から9年後に自分と最愛の一人娘・小川純子（河合優実）を待ち受ける“運命”は…。

　ーー大きな反響は予想していましたか？ヒットの要因は何だと思いますか？

　全くしていませんでした。宮藤さんや阿部さんと同世代の方々に刺さったのと、若い人たちが昭和のカルチャーを面白がってくれたからだと思うんですが、正直なところ、宮藤さんとは「今回は凄くうまくいったけど、その理由はよく分からない。（ヒット作の作り方を）体得したわけではないので、次の作品につなげられないですね、と（苦笑）。また、ゼロから作りましょう」という会話になっています。

　ーー第9話オンエア終了時点で、SNS上には既に“ふてほどロス”の声、続編やスピンオフ希望の声が相次いでいます。

　「素晴らしいアイデアがあれば、やぶさかではないんですけど。宮藤さんとも話をしたんですが、これなら！というものが見つかっていません。設定を考え始めると、これがなかなか難しくて、沼にハマってしまうんですよね（笑）」

　＝インタビューおわり＝

　＝インタビュー（1）は「最終回サブタイトルに込めた思い」＝

　■「不適切にもほどがある！」最終回あらすじ

　タイムマシンバスの運行も残り１往復。ついに昭和に戻る決心をした小川市郎（阿部サダヲ）は、令和とサヨナラする身辺整理を着々と進めていた。最後のタイムスリップは休職で落ち込む犬島渚（仲里依紗）のために使おうと決めた市郎は、秋津真彦（磯村勇斗）や犬島ゆずる（古田新太）、井上昌和（三宅弘城）らに別れを告げ、渚と共にバスに乗り込み、昭和へ向かうのだった。

　市郎は昭和に戻り、丸っ切り真面目な受験生となった小川純子（河合優実）に再会。しかし、令和に馴染んだ市郎の内面もまた変化し、アップデートしていた。昭和マインド全開の中学校の在り様に疑問を持ちつつ、これから起こる自分たちの未来について思いを巡らし…。