陳建一さん 守り抜いた「中華の鉄人」の称号 審査員は「お客さん」…研さん重ね番組記録19連勝

[ 2023年3月15日 04:51 ]

フジテレビ「料理の鉄人」の収録中に味を確かめる陳建一氏(1998年12月)
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 フジテレビの番組「料理の鉄人」で「中華の鉄人」として活躍し、日本の中華料理界をリードした料理人で四川飯店グループ会長の陳建一(ちん・けんいち、本名東建一=あずま・けんいち)さんが11日午後0時7分、間質性肺炎のため東京都の病院で死去した。67歳だった。

 1993年から6年間放送された「料理の鉄人」で、和食やフレンチの鉄人は入れ替わったが「中華の鉄人」の称号は陳さんが1人で守り抜いた。

 最多の94戦に登場し、68勝23敗3分け(本紙調べ)。番組開始当初は、他の鉄人に比べ負けが込むこともあり、挑戦者に「勝てるかもしれない相手」として指名されることもあった。しかし、不屈の闘志で研さんを重ね94~95年にかけて番組記録の19連勝を記録。陳さんは当時を振り返り「審査員をお客さんとして扱うようにしたの。どうしたらこの人たちが喜んでくれるかという方向に転換して。辛いのが嫌いな人には辛くならないようにしたり工夫しておいた」などと語っている。懐の深さと柔軟性が武器でもあった。

 連勝記録で「強い鉄人」の象徴となったが、愛されるキャラクターはそのまま。女性挑戦者に負けが多かったこともあり「女性挑戦者にめっぽう弱い」などと言われることも。共演者とも仲が良くゴルフなどで交流。陳さんが番組を辞めようか悩んでいた際、フレンチの鉄人・坂井宏行氏が「辞める時は一緒に」と説得したエピソードもある。

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