【センバツ】阿南光・高橋監督 エース吉岡の先発回避は「朝の状態見たら100球もいけん。無理できない」

[ 2024年3月28日 11:27 ]

第96回選抜高校野球大会第9日第1試合   阿南光0-5星稜 ( 2024年3月28日    甲子園 )

<阿南光・星稜>阿南光2番手・吉岡(撮影・岸 良祐) 
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 阿南光(徳島)は星稜に零敗を喫し、4強入りはならなかった。

 先発した背番号18・大坂将太(2年)が立ち上がりから星稜打線につかまり2回途中4失点で降板。2回からマウンドに上がったエース・吉岡暖(3年)は8回1失点と粘投したが、打線が相手先発・戸田にわずか2安打に抑えられ零敗を喫した。

 試合後、高橋徳監督は先発に大坂を抜擢した理由として「吉岡の朝の状態をを見たら100球が目途。100球もいけんかなと思った。先発を外して先に大坂からということで。吉岡は4回から登板予定だったんですけど、緊急登板ということで。彼の今後の楽しみもあるので無理できない。思いのほか変化球がバランス良く投げられたので球数を少なくできた」と吉岡の状態を考慮しての起用だったと説明した。

 一方で、わずか2安打に抑えられた相手先発・戸田については「予想はしていなかった。強気でぐいぐい来られたところをウチは引きに入っていた。もっとアグレッシブに行こうと声をかけたのですが…完敗ですね。スイングをして合わしていかないと脅威に感じてもらえないので。中盤以降、どんどんスイングが多くなってきた。あれが序盤にできとったら展開も変わっていったかなと思う」と強気の投球に脱帽した。

 阿南光の選抜出場は、再編統合前の新野が1992年に出場して以来32年ぶり2度目。統合による現校名となってからは初めて。全員が徳島出身という“地元軍団”が初勝利どころかベスト8まで進む快進撃を見せ、新たな歴史を聖地で刻んだ。「記録は後でついてくるもの。とにかく彼らが1試合1試合を一生懸命やっての結果なので。本当にこのチームでここまで来れて良かった。ウチは負けて強くなるということを信じて、また夏に」と悔しさもにじませる。

 そして「自分の無知なところが、準備の段階でもうちょっとこうしたら良かったなというのがあって。本当に反省材料もあって、つらい思いを選手にさせた」と反省。「寮生が3人しかいない環境という中で長期的に寝泊まりを家以外のところでするところ。慣れない環境での体調管理だったり食事の管理であったり、コンディションを整えるためにもうちょっとできたんじゃないかなということがあります」と全国大会という慣れない長期遠征での選手のコンディション調整を課題にあげた。実際にこの日の試合は芝山、矢藤の二遊間が体調不良で登録できなかった。

 試合後、阿南光ナインは甲子園の土を持ち帰らず聖地を去った。全国の大舞台で味わった喜び、悔しさ、様々な感情を胸に夏に一回り大きくなって帰って来るつもりだ。

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