ドジャース・大谷 “一平ショック”後、11打数1安打…移籍後初の古巣本拠で大歓声も2打席連続三振

[ 2024年3月28日 02:30 ]

オープン戦   ドジャース3―4エンゼルス ( 2024年3月26日    アナハイム )

<エンゼルス・ドジャース>初回、打席の際に特別映像がサプライズで流される演出に笑顔で応える大谷(撮影・白鳥 佳樹)
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 大リーグは26日(日本時間27日)、各地でオープン戦最終戦が行われ、ドジャースの大谷翔平投手(29)は移籍後、初めて古巣エンゼルスの本拠地で試合を迎えた。初回の打席前に、昨季MVP受賞を祝う特別映像が約1分間流され、大歓声を浴びた。ただ、打席ではいずれも空振り三振で、13打席連続無安打。専属通訳だった水原一平氏(39)の違法賭博問題発覚後は、11打数1安打の打率.091となった。

 大谷は笑顔でヘルメットを取り、三塁、一塁、そしてバックネット裏のスタンドに頭を下げた。初回1死での打席前。大型ビジョンに昨季のMVPを祝う特別映像が流れた。

 メジャー1号本塁打を放った18年の映像も流れるなどMVP2度の6年間の軌跡が彩られ、4万4377人の観衆から大きな拍手と歓声が湧き起こった。移籍後初のエンゼルスタジアム。異例の歓待に同じ南カリフォルニアに本拠を置くドジャースのデーブ・ロバーツ監督も「翔平はこの組織(エ軍)に多くの功績をもたらした。すてきな映像を贈られ、非常に喜ばしいことだった」と笑顔だった。

 打席では昨季までの同僚右腕シルセスに対し、初回は外角の96マイル(約154キロ)直球、4回はスライダーで2打席連続の空振り三振に倒れ、予定通り6回に代打を送られた。韓国ソウルでの21日のパドレス戦の2打席目から13打席連続無安打。25日に自らの言葉で関与を完全否定した水原氏による違法賭博問題の騒動に加え、長距離移動や時差の影響もある。事件判明後の4試合では、11打数1安打の打率.091となった。25日に「気持ちを切り替えるのは難しい」とも語ったように、心身ともすり減っていることは想像に難くない。

 騒動の余波はまだ収まらず、米メディアでは前日の記者対応で質疑は受け付けなかったことや、送金手法の疑問が残る点など、指摘する声は残る。この日も試合前のロバーツ監督の会見では、大谷と水原氏に関する質問が集中した。だが、指揮官は「ここ数日、翔平はチームメートとより積極的に関わっている」と選手同士の交流で肯定的な面を強調。水原氏の存在を「緩衝材」と表現し、通訳を介さないコミュニケーションをより多く取れるようになり「チーム内の関係性が良い方に促進される」と前向きな意見を口にした。

 27日(日本時間28日)のオフを挟み、28日(同29日午前5時10分開始)に本拠地開幕カージナルス戦を迎える。指揮官は「明日はオフ。翔平は28日に向け準備はできていると確信している」とも語った。人生最大のスキャンダルに巻き込まれたが、周囲の雑音は快音で振り払うしかない。(柳原 直之)

 ≪E・ヘルナンデスの会見駆け付けは「応援するため」≫水原氏の違法賭博問題について大谷が開いた25日の会見から一夜明け、会見に駆けつけたドジャースの内野手E・ヘルナンデスは「チームメートが大変な時期だったので、応援するために行った」と説明した。「本当に難しい時期を経験している。これから状況が改善することを願う」と語った。両者と親交が深いエンゼルスの左腕サンドバルは「正直、どう考えていいか分からない。残念なことだ」と声を落とした。

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