【選抜100年 聖地の華】広陵・山口大樹投手「絶対に高尾を抜きたい」同期への対抗心で夏へ

[ 2024年3月28日 07:00 ]

第96回選抜高校野球大会第8日   広陵5―6青森山田 ( 2024年3月27日    甲子園 )

<青森山田・広陵>9回、苦しむ高尾(手前)の向こうでキャッチボールを行う広陵・山口(撮影・北條 貴史)
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 広陵の背番号11、山口大樹は同学年の高尾響の力投をベンチから見つめていた。1年春から背番号1をつける高尾がフル回転していた昨年の春夏甲子園大会ではアルプス席から応援した。「凄いなという思いと悔しさの両方がありました」。今大会でベンチ入りした3年生投手は高尾と山口のみ。登板機会はなくとも、ようやく同期と同じ舞台で戦うことができた。

 中学まで自身より能力の高い投手に出会うことも少なく、「誰にも負けないと思っていた」と名門校を選んだ。しかし、高尾の投球を見て「自分は広陵のレベルにいないのだなと思った」と自信を失いかけた。実戦で本領を発揮できない自身とは対照的に、高尾は入学当初から負けん気の強さで勝負。高尾から「捕手を信じて思い切り腕を振り抜け」と伝えられても、思い通りに球を操れなかった。

 中井哲之監督は「おまえは高尾よりも将来性があるんだぞ」と背中を押し続けてくれた。冬場のトレーニングで自己最速を5キロ更新する143キロを計測。球威が増すと、自信もついた。「絶対に高尾を抜きたいです」。アルプス席より近くで見た背番号1。甲子園に来るたびに、同期への対抗心が強くなっていく。 
(河合 洋介)

 ◇山口 大樹(やまぐち・だいき)2006年(平18)4月6日生まれ、広島県三次市出身の17歳。小4から十日市少年野球クラブで野球を始めて外野手。十日市中では軟式野球部に所属して投手を務める。広陵では2年秋から背番号10でベンチ入り。50メートル走6秒3、遠投95メートル。1メートル78、74キロ。左投げ左打ち。

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