宇治山田商・中川春輝 1回戦の東海大福岡戦で頭部死球「恐怖心」夏までに克服必ず

[ 2024年3月28日 05:00 ]

第96回選抜高校野球大会第8日・2回戦   宇治山田商6-7中央学院 ( 2024年3月27日    甲子園 )

<宇治山田商・中央学院>8回、一塁へ送球する宇治山田商・中川(撮影・中辻 颯太)
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 【百花らんまん】脳裏に刻まれた「恐怖心」が、最後まで消えなかった。宇治山田商の背番号5、中川春輝(3年)は感謝を胸に戻ってきた甲子園で、1点差の惜敗に悔しさをかみしめた。

 「みんなが初戦に勝ってくれて、感謝の気持ちで試合させてもらった。でも、1番の僕が引っ張っていけずに申し訳ないです」

 アクシデントは21日の東海大福岡との1回戦だ。3回の打席で左頭部に死球。「視界が真っ暗になって、気がついたら倒れ込んでいて起き上がれなかった」。担架で退場して病院へ直行。野球人生初の頭部死球で「自分もやばいと思った」というが、診断は軽い脳振とうと打撲。回復は早く、翌22日に練習復帰できた。ただ、村田治樹監督は「ボールが怖いということを言ってた」と話す。

 それでも、スタメン出場。球速のある中央学院(千葉)の投手陣対策で、打順はいつもの3番から公式戦初の1番だった。「怖さはあっても振っていくしかないと。でも、内角高めに逃げてしまった」。5打数無安打2三振。1点差の9回1死一塁は、意を決したようなフルスイングで空振り三振だった。

 「この悔しさ、1点の重みを感じ、勝ちにこだわって、夏は甲子園に戻ってきて優勝を目指したい」。もちろん、その時までに恐怖心は克服する。(秋村 誠人)

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