DeNA・度会 10年ぶりOP戦新人首位打者照準 2安打で打率・429 対外試合14試合連続安打

[ 2024年3月18日 05:30 ]

オープン戦   DeNA2―2広島 ( 2024年3月17日    マツダ )

<広・D>5回1死、度会は右前打を放つ (撮影・奥 調)
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 DeNAの度会隆輝外野手(21=ENEOS)が17日、広島とのオープン戦に「1番・右翼」で先発出場して2安打2盗塁。規定打席には達していないが、対外試合14試合連続安打で打率・429とした。19日のオリックス戦(横浜)で5打席に立てば規定打席に到達する予定。ドラフト制で入団した選手がプレーした1966年以降では14年のロッテ・井上晴哉以来、10年ぶり2人目となる新人首位打者の快挙も視界に入ってきた。

 非凡な才能を持っていることが改めて証明された。度会が広島ナインを驚かせたのは5回だ。カウント2―2からアドゥワが投じたのは見逃せばボールの内角カットボール。普通に振ればファウルになる可能性が高いが、右肘を後方に抜いてバットが通るスペースをつくり、手首を返さずにミートした。快音。打球は右前で弾んだ。

 「元々、内角は好き。内角を打つ時は、反応で打つ時と、狙って打つ時がある。あの打席は反応で打てた。うまく肘を抜けました」

 プロ1年目の新人が、この日も当たり前のように「1番・右翼」で先発出場。そして当たり前のように初回の右前打も含め2試合連続のマルチ安打を記録した。これで対外試合は14試合連続安打で、オープン戦もデビューから11試合連続安打として打率・429。あす19日のオリックス戦(横浜)で5打席に立てば規定打席に到達するだけに、14年のロッテ・井上以来、10年ぶりとなる新人首位打者も視界に捉えている。

 打撃で参考にしているのは、同じく現役時代に内角打ちの名人だった巨人・阿部監督だが「内角は元々、自分の打ち方です」と絶対の自信を持つ。首脳陣の評価は上昇の一途で、シーズン開幕からも「1番・右翼」に座ることは確実だ。

 走塁でも魅せた。初回、5回ともに直後に二盗に成功。チームは前日の同戦で3度のけん制死を記録していただけに、打撃と走塁の師匠でもある石井チーフ打撃兼走塁兼一塁ベースコーチは初回の二盗について「僕も勇気をもらった」と感謝する。5回守備では1死一、二塁から会沢の右前に落ちそうな打球をダイビングで好捕。三浦監督も「打って良し、守って良し、走って良し」と賛辞を惜しまなかった。

 本拠地の横浜スタジアムで29日から開幕カードの3連戦を戦う広島に対して植え付けた強烈な印象。度会は言葉に力を込める。「全力プレーでやるだけ。走攻守で、勝利、優勝に貢献したい」。シーズンが開幕してからも、当たり前のように安打を量産しそうな気配だ。(大木 穂高)

 ≪14年打率・435ロッテ・アジャ以来≫度会(D)は規定打席に2打席不足ながら打率・429をマークし、オープン戦打率1位の近本(神=・342)を大きく上回っている。チームの残り5試合で18打席以上立てば最終の規定打席をクリアするため、間もなくトップでランクインする可能性が高い。新人がオープン戦で首位打者に輝くと、65年のドラフト制以降に入団した選手では14年井上(ロ=・435)以来10年ぶり2人目の快挙になる。なお、佐々木(巨)も現在規定打席に1打席不足ながら打率・452をマークしている。

 ≪石上は“幻のV打”番長「記憶に残る」≫ドラフト4位の石上(東洋大)は「5番・三塁」で先発出場し、3打数1安打。こちらも度会に負けじと打率・382を残しているが「安打は出ているけど、チャンスで打てないのが悔しい」と浮足立つことはなかった。2―2で迎えた7回無死一、二塁で勝ち越しの右前打を放ったが、直後に雨脚が強くなり降雨コールド。適時打は“消滅”したが、三浦監督は「記録には残らないが記憶に残る」と称えた。

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