広島・黒原が開幕ローテ争いに殴り込み 原点回帰のワインドアップ投法で2回無失点

[ 2024年2月11日 05:50 ]

紅白戦に登板した広島・黒原(撮影・中辻 颯太)
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 広島は10日、宮崎・日南キャンプで今春初の実戦となる紅白戦を実施した。白組の2番手で登板した黒原拓未投手(24)が2回1安打無失点の好投でアピールに成功した。今季は投球フォームを関学大時代のワインドアップ投法に変更するなど、現状打破を期して挑戦を続ける。開幕ローテーション争いでは、ドラフト1位・常広羽也斗投手(22=青学大)、森翔平投手(26)をはじめ、ライバルは多いが、21年のドラフト1位左腕は、逆襲に燃えている。

 黒原の強い気持ちが、白球に乗り移っていた。注目の今春初の実戦登板。打者に臆することなく、内角を攻めるなど、開幕ローテーション入りに懸ける思いを投球で体現した。

 「真っすぐも変化球も悪くない。強さもあった。内角にも、大体は投げ切れた」

 1イニング4アウト制の特別ルールで行われた紅白戦に3回から登板。5者連続で抑えた後、練習生のラミレスには左前打を許したが、続く林は内角直球で詰まらせて三飛。練習生のロベルト、矢野も連続三振に仕留め、存在感を示した。この日は最速146キロを計測。直球を軸に、カーブ、カットボールなどの変化球もさえた。

 「球威、精度ともにいい。(アピールは)順調だと思う」

 新井監督も高評価した。しかし21年のドラフト1位は1軍未勝利。その現状を打開するため、投球フォーム変更を決断した。

 「今のところスムーズにできている。セットポジションの時は、止まっている時間が長くて、リズムが悪くなる原因だったので、(ワインドアップにして)良くなっていると思う」

 昨季までのセットポジションからワインドアップ投法に変更。ワインドアップ投法だった関学大4年の春季リーグでは、3完封を含む5勝を挙げて、最優秀選手、最優秀投手、ベストナインの3冠に輝いた。その“原点回帰”の投球フォームで再出発し、見据える先は開幕ローテーション入りからの1軍定着だ。

 「ライバルは多いですけど、そこを勝ち取らないとローテで回れない。しっかり自分のできることやって、アピールしていきたい」

 目標達成へ、今キャンプ、オープン戦で、熾烈(しれつ)な争いに、勝ち抜くことが求められる。この日、ドラフト1位・常広(青学大)が1軍に初合流。既に森、遠藤、玉村らと競っているが、新たなライバルが加わった。だからといって、ひるむことはない。期する思いを胸に秘める期待の3年目左腕が、アピールを続ける。 (長谷川 凡記)

 《ドラ1常広が1軍へ合流》ドラフト1位の常広(青学大)が1軍に合流した。学業優先による調整遅れで2軍発進となっており、日南キャンプ最終クール初日に1軍初合流。キャッチボールやノックなどで汗を流し、「どんどん体の状態を上げ、1軍の他の選手と戦えるような体づくりをしていきたいです」と見据えた。今クール中に今春3度目のブルペン入りを予定。15日からの沖縄2次キャンプで控える打者との対戦に向けて調整段階を上げていく。

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