阪神・野村コーチ、父・克也さんが残した「人を遺すは一流」の言葉を胸に命日も若手育成に励む

[ 2024年2月11日 05:15 ]

00年2月、安芸キャンプで阪神・野村監督(右)から打撃指導を受ける野村克則・現2軍バッテリーコーチ
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 2月11日は、20年に亡くなった野村克也さん(享年84)の命日。息子である阪神の克則2軍バッテリーコーチ(50)が、父への思いを語った。

 偉大な父親であり野球の師が天国へ旅立ったのは、球春が到来して間もない頃だった。ただ、克則コーチが思いをはせるのは、この時季だけではない。

 「いつも思い出していますよ。自分にとってはお父さんだから。いつも、おふくろ(沙知代さん)とおやじには感謝をして寝るようにしているんです」

 現在は若手捕手の育成に携わる日々。コーチ就任時にかけられた言葉も忘れていない。「根気、情熱、愛情。それを大事にしなさい」。グラウンド上の監督とも称される捕手の成長を促す上で、技術だけでなく、チームから信頼されるための人間性を磨くことも重視している。「そういうところを凄く言われていましたから」と生前を懐かしんだ。

 昨季、38年ぶりの日本一に輝いた阪神。チームづくりを担う嶌村聡球団本部長は99~01年に野村監督付の広報、楽天監督時には編成本部のスタッフを務め、間近で野村イズムを吸収した。「人を遺(のこ)すは一流」とするノムラの教えは、脈々と受け継がれている。

 克則コーチは言う。「毎年優勝争いできるチームになっている。それ(父の教え)がどう作用しているのは分からないですけど、僕は現場で選手を育てる立場。入ってきた選手を何とか1軍の戦力に、と思いながらやっています」。プロの世界に身を置いて29年目。今日も父に感謝し、グラウンドに立つ。(大林 幹雄)

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