指名漏れの瞬間オファー殺到 都市対抗Vの社会人、プロ量産の名門大… 仙台育英仁田陽翔の進路決断

[ 2024年2月11日 18:36 ]

昨年10月の鹿児島国体では150キロを連発。ドラフト直前にコンディションが上向いていた仁田(柳内 遼平)
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 東都大学野球リーグ2部の立正大にスポーツ推薦で合格した仙台育英の最速151キロ左腕・仁田陽翔(3年)が11日、埼玉県熊谷市内の練習場で取材に応じた。仙台育英では3度の甲子園出場も昨秋のドラフトでは無念の指名漏れ。都市対抗優勝経験のある社会人野球の名門などからもオファーを受けたが、最終的に充実した施設を備える立正大を選んだ。再びプロを目指す大学生活をスタートさせ「勝てる投手を目指したい」と誓っていた。

 
 「凄く良い雰囲気で練習ができています。(立正大は)グラウンドも広いですし、トレーニングルームも充実している。ずっと好不調の波があったので波を減らしていきたい」

 昨年10月26日に行われたドラフト会議。プロ志望届を提出していた仁田の名は最後まで呼ばれなかった。楽天が8位指名した氷見の青野拓海。それが支配下指名の最終選手だった。「支配下指名でしかプロにいかない」と事前に決めていた。支配下指名の終了直後から仙台育英・須江航監督に連絡が殺到。プロ野球選手を輩出してきた東北の名門大、首都リーグの強豪大、都市対抗野球優勝経験のある社会人野球チーム…。力感のないフォームから最速151キロを繰り出す逸材の争奪戦だった。

 「元々(指名漏れは)覚悟していた。どっちになっても頑張ると決めていたので、そこまで落ち込むことなくすぐに前向きになれました。4年間でしっかりやろうと」
 
 3年春、夏の甲子園では制球難でプロ入りへのアピールはならず。ドラフト直前、10月の鹿児島国体ではフォーム修正が実り、150キロをストライクゾーン内で連発する復調を見せたが遅かった。再びプロ入りの夢を追う仁田が進学先に選んだのは東都リーグ2部の立正大。JABA大会や関東選抜リーグなど公式戦の試合数であれば、社会人野球チームの方が多いかもしれない。それでも「4年間あるのでじっくりできる。社会人ではまた“結果、結果”になるかもしれない」と仁田。大船渡一中時代に同学年のチームメートだった青学大の右腕・北條慎治、中大の右腕・佐々木怜希とともに「戦国東都」で大きく成長することを誓った。

 「2人とも1部にいるので早く(2部から)上がらないといけないと思います」。闘志は心に秘めるタイプ。無限のポテンシャルを秘める大器が、2部からの逆襲に青く燃えている。(柳内 遼平)

 ◇仁田 陽翔(にた・はると)2005年(平17)6月10日生まれ、岩手県大船渡市出身の18歳。猪川小3年から猪川野球クラブで野球を始め、大船渡一中では軟式野球部に所属。仙台育英では1年春からベンチ入り。憧れの選手はロッテ・佐々木朗。1メートル75、74キロ。左投げ左打ち。

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