大谷番が見た「変化」 エンゼルス1年目と比較しても、米7年目の余裕にじませるドジャース一歩目

[ 2024年2月11日 02:30 ]

大谷を取材する柳原記者(手前)
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 【ヤナギタイムズ】日本ハム時代の13年12月から大谷を本格取材し、TBS系情報番組「ひるおび」、「ゴゴスマ」に随時出演するスポニチ本紙MLB担当・柳原直之記者(38)が、連載コラム「ヤナギタイムズ」をスタートする。第1回のテーマは「変化」。大谷自身や周囲の環境はどのように変わったのか。6年前の18年エンゼルス1年目のキャンプも含めて密着し続けた視点から、メジャー第2章の一歩目を追った。

 「ロッカーで隣のベッツ、山本とはどんな会話をしているか?」。キャンプ地で行われた大谷の会見。日米約80人のメディアが集結する中、せんえつながら私が質問の“トリ”を務めた。

 「ムーキー(ベッツ)とはファンフェスの時にちょこっと会った。由伸は昨日も会って、新しい通訳さんとも話した。(具体的な会話は)これからかなと思う」

 無邪気な笑顔で懐に入るうまさは天下一品。2人とも既にファーストネームで呼び「新しいチームなので1年目のつもり」と語ったが、表情には米7年目の余裕がにじんだ。

 エンゼルス1年目の18年キャンプは初日からフリー打撃に参加し、短い距離から速いテンポで投げるメジャー式に悪戦苦闘していた。米メディアはまだ投打二刀流に懐疑的な見方が大半。「今日初めてやったスタイルだったので、それ(周囲の視線)を気にする余裕はなかった」と初々しかったが、中堅左への135メートル弾で周囲の見る目が変わり始めた。

 この日は会見後はグラウンドには姿を見せず室内で調整した。右肘手術からの復帰段階ということを差し引いても、初日からアピールする必要性は皆無で、新天地でも自分のペースで過ごせている証だろう。

 ロサンゼルス・タイムズ紙のドジャース担当ホルヘ・カスティーヨ記者は「翔平は史上最高の選手。メディアの数、ファンの数、全てが完全に変わる」と語った。

 監督やチームメート、チームの顔であるカーショーさえも、周囲の見る目、口にする言葉がその存在感を大きく映す。昨年3月のWBC決勝前、大谷はベッツの名前を挙げて「彼らに憧れるのをやめましょう」と呼びかけたが、今や大谷こそがメジャー全体から憧れのまなざしを注がれる存在となった。(柳原 直之)

 ◇柳原 直之(やなぎはら・なおゆき)1985年(昭60)9月11日生まれ、兵庫県西宮市出身の38歳。関学大では準硬式野球部に所属。3年半のメガバンク勤務を経て、12年スポニチ入社。遊軍、日本ハム担当を経て18年からMLB担当。
 

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