韓国またも初回速攻!圧勝劇でお先に王手

[ 2009年3月23日 06:00 ]

決勝進出を決め、喜ぶ韓国ナイン

 【WBC 韓国10―2ベネズエラ】世界最強の称号に王手をかけた。韓国が“お家芸”の速攻で、試合序盤からベネズエラの戦意を奪う圧勝劇。北京五輪に続く、国際大会の連覇にあと1勝とした。

 またも初回だった。相手のミスを足がかりに2点を先制し、なお無死二、三塁から秋信守が中越え3ラン。昨季はインディアンスで14本塁打を記録しながら今大会は左ひじ痛に悩まされ、ここまで10打数1安打の不振。「自分を支えてくれたチームに感謝したい」と胸をなで下ろした。
 韓国は今大会8試合中6試合で初回に得点を挙げ、全50得点中、実に19点を初回だけで叩き出している。典型的な先行逃げ切り型野球は3番・金賢洙、4番・金泰均を軸とするクリーンアップが機能している証でもある。金泰均は2回の左越え2ランで個人最多タイの3本塁打、単独最多の11打点。前回大会の李スンヨプに続く大会2冠が有力だ。“ポスト李スンヨプ”の最右翼となる26歳は「レベルの差は大きいけど、少しでも彼に近づければと思っている」と謙虚に語った。
 実は金泰均は試合前に米国テレビ局の放送ブースに通訳を伴って訪れ、「実はお願いがあります。姉が先日、男児を出産したのだが、大会中で祝いの言葉も言えていない。中継の中で私の祝意を伝えてくれないか?」と依頼。中継局側からの回答は「条件がある。あなたが本塁打を打てば、必ず放送しよう」だった。そして約束の一発。アナウンサーは一連の経緯を打ち明け「キムおじさん」と言って祝福した。
 先発メンバーでは、36歳の捕手・朴勍完を除き全員が20代半ば。ほとんどが国内リーグで活躍する無名軍団で、チームの年俸総額は米国代表のジーターの約4分の1だ。それでも唯一の大リーガー秋信守は「韓国の選手は粘り強いし、大リーガーと比べても実力はひけを取らない。野球の基本は韓国と日本の方が大リーグよりできている」と胸を張る。決勝は今大会5度目の対決となる日本か、開催国の米国か。「相手はどちらが来てもいい。熱戦で投手を使い切ってしまったチームとやることになればいいな」。金寅植監督には笑いを誘う余裕まであった。

 ≪決勝へ投手を大幅に温存≫韓国は序盤の大量リードを利用し、決勝へ投手を大幅に温存した。先発のユン・ソクミンは今大会初失点を喫しながらも6回1/3を2失点。「自信を持って投げた。相手は大リーガーでも、どんな選手かよく知らないからね」と笑顔を見せた。決勝戦の先発は日本キラーの奉重根が決定的で、2球で打者1人を打ち取った柳賢振をはじめ、ユン・ソクミン以外は投手全員が登板可能だ。

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2009年3月23日のニュース