米斬り任せろ!松坂、韓国戦連れて行く!

[ 2009年3月23日 06:00 ]

ダルビッシュ有の前で“謎のポーズ”を取る松坂大輔

 松坂、頼んだ!!22日(日本時間23日午前9時開始予定)に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝・米国戦(ドジャースタジアム)に、同大会5戦5勝の日本のエース、松坂大輔投手(28)が先発する。野球発祥国の米国を倒しての連覇達成こそが“真の世界一”と位置付ける同投手にとっては待ち望んだ直接対決。21日の準決勝では韓国が10―2とベネズエラを圧倒し、日本が米国に勝てば、23日の決勝では宿敵と五たび激突する。

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 自分のやるべきことは分かっている。だからこそ米国との決戦前日でも、松坂に悲壮感はなかった。最後のブルペン入りは18日と今回は間隔を空けたが、スパイクを履いて外野の芝の上で、けん制など実戦的な動きを取り入れたキャッチボール。練習を終えると、準決勝で継投が予想されるダルビッシュに笑顔でアドバイス。報道陣に「お疲れさまでした」と話しただけでグラウンドをあとにしたが、厳しい表情は一切なかった。
 松坂が今大会で最も対戦したかったチームが米国だ。前回大会で世界一となり、翌07年にレッドソックス入り。しかし、そこには過酷な現実があった。日本が世界一を獲ったことに敬意を表してくれる選手が皆無だったのだ。「アメリカに来て一番感じたことですが、誰も日本が世界一だとは思っていない。だからこそ、米国を倒して世界一になって日本の野球を世界に示したいんです」。松坂はその熱い思いを胸に秘め今大会に臨んだ。それだけに有力選手に辞退者が続出した今回の米国に対しては、「これほど愛国心を大事にする国はないと思っていたのに…。僕には分からない」と疑問も呈した。
 「メジャーの選手を知っているということはやりやすい部分とやりにくい部分がある」と話す松坂だが、封じ込めるイメージはすでに出来上がっている。「メジャーの選手は縦の変化にはついてこられるけど、横の変化に免疫があまりない」。シュートとスライダーという最も自信のある球種を軸に勝負する。15日のキューバ戦でもこの2球種を投げ分けて幻惑。「数多くいいものを出した方が勝つ。自分の今あるものを出すだけです」と自信をのぞかせた。
 今大会で3度目の先発。敗れると敗退という状況は初めてとなるが、連覇へ王手をかける快投を披露すれば2大会連続MVPが現実味を帯びてくる。大会前、松坂は「MVPを狙うことはないですが、チームのために(MVPに)近い活躍はしたいと思っている」と話した。原監督は「松坂は彼そのものの特長を出してくれれば、必ず日本の力になる」と言い切り、山田投手コーチも「一番いいのは松坂君が100球で完投してくれること」。松坂にとって最後になるであろう登板は米国とのWBCに対する思いの差を見せつけるマウンドでもある。そして、その先に待つのは2勝2敗で迎える今大会5度目の韓国戦。雌雄を決するため、侍ジャパンの命運は松坂の右腕に託された。

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2009年3月23日のニュース