勝って当然？イチロー「特別な感情ない」

　【日本９－４米国】イチローは平然と言った。「どうでしょう、特別な感情はわいてこない」。野球の母国が誇るスター軍団に逆転勝ちした。しかも敵地で、３年前は不可解な判定にも泣かされて苦汁を飲まされた相手にだ。「前回のストレスを発散した。そんな感じでいいんじゃないの？」。日本野球のプライドが乾いた言葉からよく伝わってきた。

　「（米国は）個々の力はすごい人が多い。でも、一時的に集まったチームとして、同じ方向に気持ちを向けながらプラスアルファの力を生み出せるかどうか。これに関しては、全然（日本の方が上）と思っている」。昨年１１月、日本代表候補入りを打診された直後からそう話していた。
　先行され、追いついた直後に勝ち越されたが、集中打で逆転した。２点差に詰め寄られた直後には自らの適時打などで突き放した。試合ごとにたくましさを増す日本代表に「当然のようにそうなってきたと思います。ここまで意識の高い選手が集まっているわけですから、驚くことではない」。最後まで淡々としていた。