現役引退の国枝慎吾 座右の銘「オレは最強だ!」との“出会い” 毎日のように鏡の前で…

[ 2023年1月22日 14:13 ]

国枝慎吾
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 22日に現役引退を発表した車いすテニスの国枝慎吾(38=ユニクロ)は06年10月に初めて世界ランキング1位になってから20年近く世界のトップに君臨してきた。座右の銘は「オレは最強だ!」。試合中に弱気になりそうな時、この言葉を思い出すため、白いテープに「俺は最強だ!」と手書きで書いてラケットの内側に貼っていた。

 全幅の信頼を寄せるオーストラリア人メンタルトレーナーのクイン氏から贈られた言葉だ。06年1月。当時世界ランキング10位前後だった国枝はクイン氏にから「“世界一になりたい”ではなく“世界一になる”と毎日言いなさい」と言われ、選手用の食堂で「オレは最強だ!」と叫ぶように促された。

 その後は毎日のように、鏡の前で「オレは最強だ!」と言い続け、約9カ月後に世界ランキング1位に就いた。21年夏の東京五輪でも試合前には鏡の前で何度も言い聞かせて、自らを奮い立たせたという。

 4大大会シングルス28勝、ダブルスを含めれば通算50勝は歴代最多。五輪シングルスは08年北京、12年ロンドン、20年東京で金メダルを手にし、昨夏にはウィンブルドン選手権を初制覇して車いす男子史上初の生涯ゴールデンスラムも達成した。昨年の年間最終世界ランキングは1位。国枝が最強のままラケットを置く。

 ◇国枝 慎吾(くにえだ・しんご)1984年(昭59)2月21日生まれ、東京都出身の38歳。麗沢高―麗沢大卒。9歳の時、脊髄腫瘍による下半身まひで車いす生活となり、11歳で車いすテニスを始める。07年に史上初の年間グランドスラムを達成した。五輪シングルスは08年北京、12年ロンドン、20年東京で金メダル。身長1メートル73、右利き。

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