貴景勝 一人大関の意地見せられるか 千秋楽3敗相星決戦で後輩・琴勝峰と激突

[ 2023年1月22日 04:30 ]

大相撲初場所 14日目 ( 2023年1月21日    両国国技館 )

豊昇龍(手前)をはたき込みで下す貴景勝(撮影・藤山 由理)
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 大関・貴景勝は、関脇・豊昇龍を退けて3敗を守った。同じく3敗の平幕・琴勝峰は大栄翔に勝って11勝目を挙げた。阿武咲は敗れて4敗に後退。千秋楽の結びで貴景勝―琴勝峰の相星決戦が組まれたため、優勝争いはこの2人に絞られ、4敗勢の可能性は消滅した。十両では、元大関・朝乃山の優勝が決まった。

 首位を守るために負けられない場面でも、貴景勝は冷静だった。立ち合い頭で当たり合ってから、豊昇龍が勢いよく突っ込んでくるところをよく見てさばいてはたき込み。前日は同学年ライバルの阿武咲を相手に強烈な張り手を見舞うなど闘志全開だったが、この日は冷静な対処を見せた。佐渡ケ嶽審判部長(元関脇・初代琴ノ若)は「落ち着いていましたね。この場面で大関らしさを見せてくれた」と精神面を評価した。

 11日目からの連敗で、場所後の横綱昇進は絶望的な状況となっていた。それでも崩れることなく立て直した。場所前、125年ぶりの1横綱1大関の番付にも「自分はやるべきことをやるだけ」と、1人で看板を背負う重圧は意識していなかったが、出場する番付最上位の一人大関として優勝だけは譲れない。そのためか、集中力を高めるために初日以外は報道陣のオンライン取材に応じず沈黙を貫いている。

 混戦の優勝争いも、14日目を終えて2人に絞られた。20年11月場所以来13場所ぶりの優勝を懸けて戦う相手は、東前頭13枚目の琴勝峰。埼玉栄高の3学年後輩でもあり、番付的にも絶対に負けられない。実力差からすると圧倒的有利と思われるため、気持ちの強さが問われる。場所直前には「やれることはやった。あとは精神力に懸けたい」と語っていた。1人で重責を背負い続けてきた大関が、混戦場所を締めくくって威厳を示す。

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2023年1月22日のニュース